中国では茶文化をどうにか定着させようと色々な議論が行われています。
茶文化をどう伝承していき、世界に広げて行くかという公開サロンイベントが6月22日に北京で開催され、その時に議論された内容が紹介されていました。
「茶は中華文化の1つのキャリヤーで、文化の伝承だけでは無く、国際交流、経済貿易などの面でも非常に重要な作用を発揮しています。我々はいま科学化の程度が非常に高い社会に生活していて、茶もまたイノベーションや創造性のある発展が必要とされています」。中国作家協会副主席の閻晶明氏の見解では、茶は科学技術の発展に伴って、現代的な生活により良く溶け込んでいくことが求められているようです。
先日、中国国際文化交流センター、中国芸術研究院レジャー文化研究センターの指導で、中国茶葉流通協会、雲南省茶葉流通協会、雲南双江勐庫茶葉有限責任公司が主催した「中国茶文化伝承と国際伝播」テーマサロンのイベントで、閻晶明氏は茶文化と現代の生活の間に、時々矛盾があると話していました。
「たとえば、お茶を飲むとして睡眠には影響は無いのでしょうか?私たちは昼12時以降に緑茶を飲んでも良いのでしょうか?紅茶を飲んだ方が睡眠に影響を及ぼさないのではないのでしょうか?」このようなことがお茶を味わう時に過程の中で起こり、これによってお茶を飲む観念に分岐が生じます。閻晶明氏は例を挙げて説明し、「また例えるならば、みなさんは薬を飲むときにお茶を利用するべきでは無いと知っていますが、それでは薬を飲む前にはお茶を飲んでも良いのでしょうか?薬を飲んだ後はお茶を飲むことはできるのでしょうか?あるいは峡薬を飲んだらお茶を飲んでも良いのでしょうか?」閻晶明氏はこのような矛盾がお茶の話をするときにはついて回っていて、人々がお茶を飲むという観念においては、1つの正確なガイドが必要だと考えています。「茶は科学技術の発展に伴い、より良い形で現代の生活に溶け込むことが必要です」。
茶文化は数千年にわたり伝わり、伝承こそが鍵です
茶文化は数千年にわたり伝わり、伝承こそが鍵です。数千年来、先祖の残した茶園を注意深く手入れする人がいて、お父さんたちが残した製茶器具を取り出す人がいて、代々伝わる茶杯を使う人がいて・・・茶文化の伝承が数千年も続いた背後には、家庭で耳や目から伝わっていくもので、環境が知らず知らずのうちに感化していくのです。
テーマサロンイベントでは、中国曲芸家協会名誉主席の劉蘭芳氏が自らと茶の関わりの根幹について述べました。「茶と中国人には解けない縁があって、評書(訳注:中国の講談)をする人はなおさらです」。劉蘭芳氏によれば、彼女はずっとお茶と付き合っていて、既に70年になります。劉蘭芳氏によると、茶館での講談は、唐宋時代にまで遡ることができ、現在は全国各地どこでも、講談をする人のあるところには茶館があり、まず茶を淹れ、その後で講談を行います。「噺を聞くと気持ちが落ち着き、お茶を飲むと心が穏やかになります。弁舌爽やかに中国の物語を話します。」と劉蘭芳氏は言います。
新しい時代にどのようにして茶文化を伝承するのでしょうか?著名な人文学者の李漢秋氏は、茶がどのような家にも入っていくことができて、伝統的な祝日はとても良いきっかけです。「茶を飲むということを伝統教育とし、伝統教育は家庭に入っていくもので、このようにすれば我々の茶文化もどんどん発揚することができるでしょう」。李漢秋氏は、中国の伝統祝日の中には茶と関連のあるものが大変多くあります、といいます。「我々はそれぞれの伝統祝日にはいつも茶を飲み、自分の茶詩を持っています」。李漢秋氏によると、元宵節はなぞなぞの中に専門のお茶の謎があります。端午節は天気の熱いときで、湿気を取るということからお茶を飲むというのはとても良い飲料です。古代では、種が発芽すると言うことは、愛情の忠節を誓うということになり、それで中国のカップルは七夕の時に往々にしてお茶を託します。「このように、中国のそれぞれの伝統祝日にはそれぞれのお茶があり、お茶を味わう道があるのです」。
若干無理筋なところもありますが、普段からイベント的な形でお茶を飲むという習慣づけなどは確かに必要なのかもしれません。