茶文化に関する百科事典のような本が出版されたそうです。
6月の春景色は読書に良い時期です。6月4日、中国国際茶文化研究会と中国農業出版社が主催した『世界茶文化大全』発行発表会が杭州で開催されました。全国各地の茶の専門家や学者が杭州に集まり、茶の香る本の韻をみんなで味わいました。
取材によると、『世界茶文化大全』は中国国際茶文化研究会が編集チームを組織し、中国国際茶文化研究会会長の周国富氏が主編者で、孫忠煥氏、阮忠訓氏、姚国坤氏が副主編者となるなど十数名の国内の茶文化と茶の科学技術界で著名な学者が共同で心を込めて執筆し、何度も書き直し、創意を込めて編纂してできたものです。この本には全部で100万字、500幅あまりの珍しい写真が含まれています。本の中では、茶文化がいかにして世界に広まったのか、世界の茶文化の概況と様子、世界の飲茶の風情と特色、現存する世界の茶文化遺跡などの世界茶文化に関する重要な内容が含まれていて、体系立てた詳細な著述が行われています。
『世界茶文化大全』は1冊の本の中で、60あまりの茶の生産国と160あまりのお茶を飲む国家と地区、全世界の30億人近い茶の愛好者について著述しています。その内容は時空と国境を越えます。この本の出版は世界の茶文化の歴史を一通り眺めた上で整理し、さらに将来の世界の茶文化についてリードし、方向性を示すという一定の効果が見込まれています。「この本は中国に軸足を置きながら、世界へと向かっていて、さらには”一帯一路”の建設における需要にも適っており、世界の茶文化の勃興と発展に理論と実践の根拠を与えます。世界における飲茶の風情、茶道具の概観、茶政と茶法、品質の安全検査、茶と世界の調和などの内容が含まれていて、多くは初めてお目見えするもので、読み、味わうことのできる茶文化の著作であると言えます」とこの本の執行副主編者である、中国国際茶文化研究会学術委員会の副主任である姚国坤氏は発表会の場でこの本の特色を詳細に述べていました。
茶は、世界三大健康飲料の1つで、その足跡は世界中に及んでいます。数千年にわたり、茶文化は伝承され、経験と鍛錬を積み、変化し、また新たな別の彩りと魅力を発揮してきました。各地域の飲茶の習俗、茶事の文化は本当にさまざまで、それぞれの民族、地域、国家の多様な価値理念と文化を反映しています。「この本は、科学的で全面的で体系だった、非常に実用的なツールブックです」と中国農業科学院茶葉研究所の副所長・魯成銀氏は述べています。一人の茶の科学研究に従事する人間として、今後は茶文化の問題に出会ったら、すぐに『世界茶文化大全』で調べることができます。これは本当に価値ある参考書です。同時に、彼はこの本の出版と発行は、中華茶文化を伝承して高揚し、文明を相互に鑑定して、イノベーティブに発展させ、世界の茶人たちとの友誼と交流を増進させ、茶によって民に恵みを与えることを促進し、人々のより良い生活を満足させ、茶と天下などの方面においても非常に重要な意義がある、と認識しているとのことです。
「今はまさに中国茶文化と茶産業の発展における黄金時代で、茶文化の高揚と伝承、イノベーションは大変重要です。この本には、詳細で実用的な参考資料とデータソースがあり、読者の方たちにとって、その厳格な学術的な知識考証と体系だった全面的な学習の仕組みを提供し、同時に豊富な図版や文章が配されて、活き活きとした資料が多く添えられていて、全体的な内容も読みやすく、見やすいものになっています」と浙江大学茶葉研究所所長の王岳飛氏は本書の価値を「世界の茶文化を知るためには最高の百科全書」と評価しています。
中国は茶の原産地であり、茶文化の発祥の地で、さらに最も早く茶が発見され、茶を生産し、茶を利用してきた国家です。中国茶文化は世界各地に伝わっている過程で、文明を相互に鑑定して、互いに発展し、多彩で広くて深い世界の茶文化を形成してきました。現在では世界で30億人あまりがお茶を飲むことに特別な感情を持っていて、喫茶の風習は既に世界に及んでいて、世界を席巻しています。「茶と天下とは、”茶”は”和”の物質的なメディアだけでなく、さらには精神と文化の表れなのです。”一帯一路”という大きな背景の中で、中国茶は”一枚の葉っぱ”を通して、中国茶のブランドとその内に含まれるものを伝えていくのです。外へ出ていくものは一杯の茶だけではなくて、それに融合した歴史、科学技術、文明などの中国茶文化なのです」と杭州龍冠実業有限公司の総経理である姜愛芹氏は言います。
最後に、中国国際茶文化研究会会長の周国富氏がまとめの発言をしています。彼によれば、『世界茶文化大全』は茶文化の学術著作ではありますが、さらに茶と茶文化が”一帯一路”へ進む上でのツールブックなのです。中国と世界各国の茶文化の発展の過程と現状を全面的かつ体系的に反映しているだけではなくて、さらには中華の優秀な茶文化を伝承、高揚し、世界の茶文化の宝物庫をさらに豊かにし、世界各国の茶文化の交流と相互を味わうという需要を満たし、中国茶文化と茶産業をさらに推し進め、”一帯一路”の建設に溶け込ませることになるのです、と述べています。
この会では、書籍の贈呈式も開催されました。主催者から浙江図書館、浙江大学、中国農業科学院茶葉研究所、中華全国供銷総社杭州茶葉研究院、浙江農林大学などの機関に書籍を贈呈しました。今後は、『世界茶文化大全』は浙江省各地の図書館にも入る予定で、茶文化の魅力の伝播をさらに進めることになるでしょう。
中国語で百万字にも及ぶ大著とのことで、一冊あたりの重さもかなりの重さになるようです。
日本で入手するのはなかなか困難だと思われますが、茶文化について学びたい方は手元に置いておきたい一冊になりそうです。