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福建の烏龍茶も餅茶の時代になる?

最近、緊圧された烏龍茶(大紅袍など)を見かけることも多くなってきました。
当初はプーアル茶の投機ブームに乗ったものかと思っていましたが、どうも最近は1つの技法として緊圧を肯定的に捉える向きもあるようです。

福建乌龙茶将迎“大饼”时代?

茶客们不妨回想一下,你所熟悉的福建乌龙茶都长什么样子?安溪铁观音是圆形紧结的颗粒状,武夷岩茶则是壮实扭曲的条索状,唯一做成饼茶的漳平水仙,也仅仅是不到巴掌大的四方饼……

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/a/201506/00001668.html

ちょっと考えてみましょう。みなさんの良く知っている福建の烏龍茶はずっとどのような形でしょうか?安渓鉄観音は円形で締まった顆粒状で、武夷岩茶は太くて少しねじれた条索状で、唯一餅の形になっているのは漳平水仙ですが、それでもせいぜい手のひらほどの大きさにもなりません。

今年から、多くの烏龍茶でプーアル茶と同じような大きな円形の餅をイメージしたものが出現し始めました。これは笑い話なのか、それとも一種の技術上の新しい進歩なのでしょうか?今週は、こうした圧縮された円形の餅状の烏龍茶を探しにいくのによい知識を教えていきましょう。

 

 ”小さな塊”の漳平水仙で”大きな円形の餅”を作る

 茶商は1週間で目標の230%の契約を獲得

 

<事件>

先日、ある茶商がネット上でこのような情報を発信しました。四角い”小さな妹餅”、もうすぐ円形で平べったい”大きなお兄さん餅”を出しましょう。

元々、これは華彩広告社と漳平の茶農家・張永泉氏が共同で計画した”漳平水仙生産百年記念大餅”の販売キャンペーンでした。”1元オークション”、”契約者に2泊3日の漳平水仙体験お茶ツアーを進呈”、”3年間、淘宝店での買い物を3割引”などのキャンペーンもあり、多くのお茶愛好家の注目を浴びました。発売から1週間で、既に目標の230%の契約を獲得しました。

閩南のお茶の愛好家についていえば、大部分の人は漳平水仙についてよく知りません。これは面白いお茶の1つで、烏龍茶類の中で唯一の緊圧茶で、多くは手のひら四方ほどの大きさの小さなお茶で、香りは清らかで高く、幽玄で伸びやかであり、保存も利き、何煎も出て、お茶の色は赤っぽい黄色で、良いものには水仙の花のような香りがあり、喉ごしも良いのです。

華彩広告社の責任者の胡家法氏は、「伝統的な小さな餅から現代の大きな餅になる経緯とは、漳平水仙を大餅に変えることはただ形状を変えることだけでは無くて、伝統的な漳平水仙においてブレンドができず量産できなかったという問題を解決し、漳平水仙の製茶技術と飲んだときの味わいを改善し、さらにコレクション価値による値上がりの余地を広げ、より多くの製品の種類を増やすことなのです。昨年、10枚あまりを試しにプレスしてみましたが、外観も良いものでした」と言います。

 

 烏龍茶の緊圧茶は2000年前後から出現

今では技術も成熟し、認知度も上昇している

 

<市場>

漳平水仙はあまり一般に知られていないとしても、安渓鉄観音と武夷岩茶はみんなが知っています。烏龍茶を緊圧して餅状にすることは、本当に良いことなのでしょうか?それとも笑い話なのでしょうか?はたまた、本当に技術上の進歩なのでしょうか?

6月初め、厦門茶葉輸出公司の傘下ブランドである海堤茶葉は、”閩茶驕傲”大紅袍茶餅を発表し、とりわけ茶業界からの注目を集めました。この新しい緊圧された茶餅には明らかな火による香りがあり、茶刀で少し削ると、簡単にお茶が剥がれてくるのです。

厦門茶葉輸出公司の副総経理・陳志雄氏は、「実際、武夷岩茶の茶餅は2000年前後には既に存在していて、続々と作るようになっていました。しかし、これまでの技術は十分成熟しておらず、緊圧の力が強すぎて、茶葉は綺麗に剥がれてくれませんでした。我が社の開発チームは、何度も試験を繰り返してこのような茶餅を作り上げ、現在の方式は技術面での大きなレベルアップでありイノベーションだといえるでしょう」と言います。

安渓の新しい緊圧茶餅の話を聞いたことがありますか?先日、厦門茶葉輸出公司は、安渓の雪梨(訳注:佛手)品種の生葉を使い、烏龍茶の伝統的な製造技術を保った上で、さらに蒸気で柔らかくしてから圧縮した製品を作りました。元々の雪梨茶の味わいは少し薄く、青みがあって渋みもありましたが、このお茶を真っ直ぐな條型に製茶した上で、蒸気を通して茶の中にある低沸点の物質を活性化したところ、飲んだときの口当たりが柔らかく、花や果物の香りが豊富に出て、味わいも独特のものになりました。

陳志雄氏は、餅状に圧縮することは烏龍茶の製造工程において、新しい1つの追加工程になっています、と話します。閩南のお茶は、一部は閩北のお茶のように発酵をする方向に向かい、花や果物の香りがよりハッキリするようになり、滋味もより厚みがあって甘く爽やかになります。餅状に圧縮して良い形にすることは、これを引き継ぎ、革新して、多元的に安渓鉄観音の技法の伝統を発展させるのです。

 

アイデアが茶業を変える

烏龍茶の緊圧餅はもはやただの模倣では無い

<業界の声>

茶葉会社が烏龍茶をプーアル茶のような緊圧した餅茶にする場合、自ずと市場の動向を考えることになります。とりわけ、北方や広東一帯のようなプーアル茶を好んで飲む地域では、烏龍茶餅は疑いなく、一部のお茶愛好家の好奇心と注目の視線を集めています。しかし、これは単純に模倣行為と言われそうですが、そうでもありません。

先週土曜日、国家職業資格厦門茶葉鑑定所において、大紅袍などの烏龍茶餅とプーアル茶餅の対決が行われました。”閩茶驕傲”大紅袍茶餅は、参加者を驚かせていました。参加者の陳さんは、「同じような茶餅でも、プーアル生茶の新茶は収斂性があまりに強すぎます。しかし、岩茶の新しい餅茶は火の味が特に際立っていることの他は、ハッキリとした花のような香りがあり、長く置いておけばもっと味わいに厚みと滑らかさが増すと確信できます。烏龍茶の緊圧技術はどんどん進歩していて、茶の香り、味にとっても、一種のレベルアップになっています」と言います。

胡家法氏は、烏龍茶の緊圧餅は、一種のアイデアが茶業界を変えたことだと見ています。「国内の全体の市場は全般的に低迷している今日、茶業は如何にこの難局を突破するか、ということが多くの茶業界の人にとっての喫緊の課題です。6年前、白茶には基本的には餅茶はありませんでしたが、現在では、白茶の話をすると、多くの人が餅茶のことだけを認識していて、餅茶が白茶になっています。たとえば、伝統的な製法で作った濃香型鉄観音を緊圧した餅茶ならば、冷蔵庫などで保管する必要は無くなり、鉄観音は新鮮なものを味わうのに向くというお客さんの概念を変え、収蔵するものというイメージを付けることができます。烏龍茶餅の市場での熱気は、今後も絶え間なく発酵していくことでしょう」

 

緊圧という工程を化学的な部分で見れば、高温の蒸気に当たることで熱エネルギーが与えられるとともに、プレスによる圧力が変わるわけですから、当然、中に含まれる物質の化学変化が促され、茶の品質に変化が与えられるのは確かです。これを上手くコントロールできれば、なるほど、確かに1つの製造工程として位置づけられそうです。
販売面で考えても、餅茶にするにはそれなりの分量が必要ですし、保存期間も長くてもOKとなれば、まとめ買いの根拠にもなり得ますので、販売側にとってもありがたい話でしょうから、この流れは案外続くかもしれませんね。

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