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湖北省の青磚茶、再興に向けての動き

名前は知られているものの、日本にはあまり実態が紹介されていないお茶というのが良くあります。
そのようなお茶の1つ、湖北省の青磚茶について紹介し、また今後の課題を挙げている記事がありましたので、ご紹介します。

湖北青砖茶黑茶四大代表之一 何时能“香飘全国”

作为中国黑茶四大代表之一,湖北青砖茶口感醇厚,喝起来回味甘甜,而且具有清理肠道、降脂降压等保健功效。在明清时期,青砖茶曾名扬海外,远销欧亚大陆。不过,由于汉口茶市的凋敝,青砖茶产业渐渐衰落。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2014/1022/article_174978.html

中国黒茶の四大代表の1つである、湖北省の青磚茶は味に厚みがあり、飲むと甘みが戻ってきます。さらに腸をきれいにし、脂肪を減らし血圧を下げるなどの保健機能も備えています。明や清の時代には、青磚茶の名前は海外にも知れ渡り、ユーラシア大陸まで販売されていました。しかし、漢口の茶葉市場が凋落により、青磚茶の産業は段々衰退していきました。

1990年代以前は、統一買い付け・統一販売が実行されており、青磚茶の販売量は安定していましたが、この政策が取り消されてからは、湖北省の青磚茶産業の市場影響力は上がりにくくなっていました。

今月中旬、湖北省青磚茶協会の設立大会が咸寧市で開催されました。30社あまりの会社の代表が一緒になって、この歴史あるブランドを磨き上げていくことを決定しました。

<光輝く過去>

・かつてはユーラシア大陸まで販売されていた

「あるとき、湖北省の茶葉会社と一緒に他の街で展示会に出たとき、来る人来る人に、湖北省にもまだ黒茶があるのですか?と聞かれました。他の土地の人は湖北省の青磚茶をほとんど知らないと思います」と青磚茶協会の事務局のスタッフは話していました。

 

・湖北省の地元の人も、これらの歴史についてあまり知りません。

実際のところ、湖北省の青磚茶の歴史は古く、中国黒茶の四大代表の1つで、主に咸寧、宜昌、武漢などで生産され、古くから辺境の少数民族の生活必需品でした。

青磚茶は晋の時代に始まり、唐の時代で栄え、明や清の時代に興りました。その産地はユーラシアの”万里茶道”の出発地になっています。清の同治、光緒年間には、4平方キロメートル足らずの赤壁市趙李橋鎮羊楼洞には、200軒近くの茶荘と茶葉加工場がありました。現在でも、この街並みはまだ保たれており、往年の茶荘や洋行、茶楼、税務署や金融機関など80軒あまりの古い店舗があります。

19世紀半ば、漢口が商業貿易港となると、青磚茶などの茶葉が輸出され、国内の輸出総量の6割あまりを占めるようになりました。1930年代、インドなどの国が輸出する茶葉の市場シェアが徐々に高まってくると、中国の茶葉は国際的には排除されるようになり、漢口の茶葉市場は日に日に凋落していきました。このあと輸出量は年々減り続け、1947年には、年間の輸出はわずか5万担あまり(訳注:1担は約50kg)になりました。このころから、湖北省の青磚茶の輸出は再起不能となり、漢口はもはや全国の茶葉市場の中心では無くなりました。

 

<盛り返す>

・青磚茶生産量の昨年の増加幅は50%を超える

1990年代以前、辺境の少数民族地域の需要に合わせ、青磚茶は供給販売公社による統一購入・統一販売の体制が敷かれていました。しかし90年代にこの政策が取り消されると、湖北省の青磚茶の販売量は上げることができず、市場ではシェアも影響力も欠乏していました。

ここ3年ほど、地元政府が重視するようになったことで、湖北省の青磚茶産業は回復的な成長を遂げ、省内の茶産業におけるシェアを年々高めてきています。2013年の生産量は1.8万トンで、2012年に比べて0.66万トン増え、その増加幅は58%です。

2010年、劉建軍氏が建築業界から茶業に転向したとき、その狙いは緑茶でした。しかし2011年になると、彼は青磚茶に関心を持ち始め、そのお茶の歴史に夢中になりました。調査と研究を進め、彼は羊楼洞茶業股份有限公司を設立し、青磚茶の生産を始めたのです。現在、このブランドは業界内で力を持つようになり、今回、劉建軍氏は湖北青磚茶協会の会長に選ばれました。

業界の関係者によると、現在、省内で青磚茶の製造企業は14社あり、そのうち省級龍頭企業は2社あります。業界の盛んな発展の他に、一部の青磚茶企業は既に自分たちの加工地区を形成し始めています。湖北赤壁趙李橋茶業有限公司の責任者・魏絶香氏の話によると、彼女の工場は趙李橋磚茶産業地区にあるそうです。そことそんなに離れていないところが羊楼洞茶生態文化産業園で、総投資10億元を計画しており、1期工事は既に竣工していて、自動化磚茶生産ラインによって生産が既に始まっており、年間1万トンの生産が可能だそうです。我が省にはこの他にも宜昌鑫鼎生物科技加工園区などいくつかの青磚茶園区があります。

青磚茶企業の発展に従い、一部のブランドは成果を得るようになってきました。”川”字ブランドは中国馳名商標に選ばれ、青磚茶業界で唯一の”中華老字号”となり、”羊楼洞磚茶”は国家地理標志保護製品に認定されました。赤壁市は中国茶葉流通協会から”青磚茶の郷”、”米磚茶の郷”の称号を得て、羊楼洞青磚茶は国家無形文化遺産の認証を通過しました。

ここ2年ほど、我が省の青磚茶の販売シェアはずっと上がり続けていますが、1990年代以前と比較をすると、未だにかなりの差があります。湖北省の青磚茶のかつての販売地域は主に内モンゴル、新疆、チベットなどの辺境の少数民族地域とロシアなど旧ソ連地区とヨーロッパ各国で、当時は湖北省の青磚茶が全国の辺銷茶の市場の85%前後を占めていました。しかし現在では、各企業は十分に力を発揮していますが、それでも販売額は20%にも足りません。羊楼洞茶業股份有限公司などごく僅かな茶葉会社だけが国外に青磚茶の販売拠点を持っているだけです。青磚茶の発展にはまだまだ多くの実務上の問題があります。

 

<問題>

・若い人の青磚茶の認知度が足りない

「現在私たちの会社について言えば、最も解決しなければならないのは、機械設備の問題です」と茶商の魏絶香氏は言います。現在手元には予約注文がありますが、しかし”間に合わない”のです。少し前に、彼女はスリランカからの業者を迎えました。彼女が工場の中を案内したときに、彼女は内心で”太鼓を叩き”始めました。生産設備があまりに簡素すぎ、茶の品質と海外の顧客の要求にはだいぶ開きがあるのです。

製品の品質以外に、魏絶香氏は青磚茶のブランド知名度についても大変心配しています。現在、会社は3つの製品を生産しています。1つは伝統的な青磚茶で、北方の遊牧民族に販売しています。もう1つは、収蔵可能な工芸茶です。このほかに、上品な包装をした顆粒茶を作っています。この顆粒茶を作っているのは、若い消費者の消費習慣を育てるためです。「私たちは以前省外の展覧会に行きましたが、中年から老人は私たちのお茶への認知度があるのですが、若い人たちは基本的には青磚茶を知らないのです。それで私たちは彼らの消費習慣を育てたいと思っています」と彼女は言います。

・内部での消耗が深刻。ブランドが分散し価格決定権が無い。

魏絶香氏は加工機械への心配をしていましたが、劉建軍氏は別の見方をしています。実際のところ、加工機械は品質の中の1つの環境に過ぎず、この問題は確かに存在しますが、しかし青磚茶を制約する主要な原因ではありません。劉建軍氏の見方によれば、現在、青磚茶の成長で直面している問題とは、製品の位置づけにあります。”これは茶の4文字のキーワードです。「文化、健康」です”。各会社は自分の製品の市場でのポジショニングを考える必要があります。現在はまだ急いで雲南のプーアル茶や安化黒茶などのお茶と競争を急ぐべきではありません。

ある業界関係者は、現在、我が省の青磚茶のブランドの種類は大変多く、品質の上で玉石混淆になっています。現在、青磚茶のブランドは20あまりで、競争は激しく内部での消耗が深刻です。しかし、ブランドの凝縮力に欠けており、市場での価格決定権が失われつつあります。”川”字ブランド、羊楼洞などの少数の湖北青磚茶ブランドに影響力が少しある以外は、真の意味で全国知名度の高いブランドはまだ無いのです。

<提案>

・モバイルインターネットを使って茶葉の販売を

現在、黒茶市場における他のブランド・雲南普洱、安化黒茶などと比較すると、青磚茶はまさに全国市場に向かっているところで、まだ長い道のりを歩む必要があります。

どのようにして湖北省の青磚茶ブランドを、”省内の香り”だけに留めずにおけるのでしょうか?青磚茶のブランドをよく研究している卓雅公関公司の責任者の程軍氏によれば、青磚茶の産業集中度は低いので、もし良くしようと思うのであれば、まずは政府が青磚茶の龍頭企業を育成し、サポートする必要があると言います。このほか、統一の基準を制定する必要があります。現在の青磚茶には、一級、特級などの茶葉基準が無いので、このため価格の混乱や品質の玉石混淆を引き起こしています。劉建軍氏によると、青磚茶が全国の舞台に向かおうとするのであれば、まずは目標を確定し、持っている資源を集めて、みんなで一緒に力を合わせてこのブランドを大きくしていくことだ、と話しています。

マーケティングに詳しい何冰氏によれば、まず製品のターゲットになる層のマーケットポジションをはっきりさせ、青磚茶の文化を値打ちのあるものであると、販売しながら広めていくことです。そしてさらに重要なのはその独特の保健機能です。ユーザーの要望に合わせて細分化していくべきで、そこへ向けてのマーケティング戦略を展開するのです。ユーザーの需要を解決したら、次は販路の選択をします。現在ならまだモバイルインターネットによる販路でマーケティングを行うこともできるでしょう、と話しています。
青磚茶は、歴史のあるお茶ではありますが、現代の茶業にふさわしい形に再編されていないので、まだまだこれからという状況にあるようですね。

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