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今年の明前西湖龍井の価格、3割ダウン

今年の春茶は、「茶摘みは早くなり、明前茶の量が増え、価格は控えめ」というのが、大方の印象です。
が、ちょっと衝撃的な数字が飛び出しました。

 

今年明前西湖龙井茶价格跌三成

公款消费受到遏制 今年行情回归正常 明前西湖龙井茶价格跌三成

西湖龙井茶开采已近一周。都说“明前茶”稀贵,放在往年,未等上市便早被订购,若非熟悉的客户,别说外地游客,就连杭州本地人都很难买到正宗的西湖龙井。今年行情却变了,不仅可以买到,价格还比往年同期便宜了近三成。茶叶商家私下里认为,极品龙井价格的回归,是因为今年以来公款消费受到了一定程度的遏制。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0321/article_154466.html

 

記事によると、今年の明前西湖龍井の価格は、公共部門支出抑制の政策を受けて、下落。
明前西湖龍井の価格は、3割も落ちるという見出しでした。

西湖龍井茶の茶摘み開始から一週間あまり。
「明前茶」は稀少だというので、例年であれば売り出し前から予約購入があり、それほど常連ではないお客や、他所からの観光客のみならず、杭州の地元民でも本物の西湖龍井を買うのは困難でした。
今年は状況が変わっており、買えるかどうかの話ではなく、価格は例年の同時期に比べて3割も安くなっています。
茶葉販売店に行ってみると、最高級品龍井茶の価格は下がっており、この原因は今年から始まった公共部門消費の制限による影響のようです。

<客は3分の2に>

龍井路のある茶葉販売店に行ってみると、販売員が熱心に呼び込みをしていました。
今年の新茶の西湖龍井が欲しいと記者が言うと、彼女はすぐに灰色の瓶の中からガーゼにつつまれた茶葉の包みを取り出しました。数はそんなに多くなく、おそらく三斤ぐらいでしょう。

袋を開けると、販売員はそれを竹籠の中にならべ、お客さんに見せていました。
記者は友人にお茶を送りたいので、と30斤の茶葉を要求しました。
販売員は、今、店にあるのは数斤しか無く、もしもっと要るのならば、あと数日待って欲しいとのこと。
彼女によると、今年は毎日数斤は残ります。例年、この時期であればとても在庫はなくて、予約ではないと、買えませんとのこと。
今取り出した茶葉は昨日出来上がったものが売れ残ったもので、価格は500gで1600元でした。
もし本当にいるのならば、手付け金を払ってくれれば、入荷したら知らせてくれるとのこと。

販売員によると、今年の価格はとてもリーズナブルで、現在500g1600元で売っている西湖龍井も、昨年は少なくとも1斤2200元はしていました。
以前のお客さんはシーズン前に電話をして明前西湖龍井を予約していましたが、今年は電話の数が明らかに少なくなり、明前茶が出て来始めたこの1週間に来店したお客さんは、例年に比べ3分の2ほどに少なくなっています。

 

<贈答品が明前茶の価格を押し上げていた>

「明前茶は最高級品とされ、価格も高かった。これは明前茶の産量が少ないからです」
杭州西湖龍井茶紹介の会長は毎年記者が訪れると、このような話を毎回繰り返していました。
しかし、今年話してくれたことにはその真意が良く表れていました。

「明前茶は贈答品となっており、それで自然に希少であればあるほど、価格が高ければ高いほど良い、ということになっていました。
過去数年は茶商たちにこの種の社会的な雰囲気に合わせる気持ちがあり、オークションなどの方法を使って、人為的に明前茶の価格を吊り上げ、1斤の明前西湖龍井の価格は数万元から、甚だしいことには十数万元になり、最高額は百万元になりました。
こうして、【買うけど飲まない、飲むけど買えない】という状況が生まれ、公費での消費や贅沢三昧の消費、ごちそうや贈り物の風といったものが、その最重要な担い手になりました。
今年は贈答品が少なく、価格が自然と下がったのです」

本当の西湖龍井老茶樹(在来種)が大量に摘まれるようになるのは、清明節以後まで待たねばなりません。
「清明節後に摘まれたものは、雨前茶に属するということを除けば、今摘んでいるお茶よりも特級や一級茶葉を何度も摘むことが容易で、購入価格も明前茶と比べてそんなに低くありません。
清明節以前に摘めるのは龍井43号で、その価格は高くなりますが、清明節以後になると一般的に価格は数百元になります。」
彼によると、清明節を明前茶と雨前茶の区分にするのは間違ってはいないが、これをもって茶葉の良し悪しを区分するモノサシにするのは、当たらないといいます。
人為的に明前茶が押し上げられたことによって、この「落とし穴」はより大きくなっています。

杭州の古くからの茶飲みたちは、みな雨前茶を喜びます。なぜなら、滋味がフレッシュで深く、かつ煎が効くからです。
龍井村の書記はこれを「清明節前は茶葉が比較的薄く、それで茶水はやや薄くなります。清明節以後は茶葉の成長が早くなり、葉が厚くなるので、茶水は濃くなります。それで、濃いお茶を飲むのが好きな古くからの茶飲みは、「明後雨前」の龍井を選択するのでしょう」と解釈しています。

 

<豪華な包装は売れず>

ある茶葉店の責任者は「以前は最も良いお茶には紅木か龍泉青磁の箱を使っていたけれど、今年はこの種の包装は全く売れない」と言います。
市場の要求に合わせるため、今年の一番茶は全て簡易な包装に切り替えました。紙袋の外側にプラスチックをかぶせて密封するだけです。

「今年、公費による購入はおそらく2割ほど少なくなって、たとえ買いに来る企業があっても、この種の包装は人気が無く、地味なものにして欲しいと言われます」
茶葉市場の主人たちは普通の顧客には30元の一般的な箱を勧めています。これは2つのスチール缶が木の箱に入り、包装紙で包まれるというものです。

お茶の市場に表れたこの変化を浙江省社会科学院の社会学研究者は、

「茶葉の価格の下落と茶葉の品質には関係が無く、これは公費での消費や贈り物の風潮が制限されたからで、西湖龍井は一種の農産品として正常な経済秩序の中に戻らされたと言えます。
昨年、中央政府が発した公費消費の制限令の後は、人々が仰ぎ見るようにしていた茅台、五粮液(いずれもお酒)や貴重なタバコは在庫が増え、価格はだんだん落ちていきました。
今年の西湖龍井は天気を受けて良い影響があり、茶摘みの時期は前倒しとなり、品質も良くなっていますが、価格だけは下がっています。しかし、これが正常なのです」

と言っています。

 

 

政府の消費引き締めで、一気にバブルが崩壊したというところのようです。
名前に踊らされていた一部のにわか消費者が剥落したので、今後はそうした需要に頼らない、地道な営業ができる生産者・流通業者が生き残ることになりそうです。
高価格を当て込んで過剰に投資をしてしまったところは、淘汰されることになるでしょうね・・・

 

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