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豊かになった江山緑牡丹の村

歴史的な名茶として名高い、江山緑牡丹(工芸茶の黄山緑牡丹ではありません)。
実は少し前までは、有名な割には低評価に甘んじていたお茶だったそうで、産地の村はかなり貧しかったそうです。
それが今や他の地域が羨むほどの豊かな村になったといいます。一体、何があったのでしょうか?

 

江山保安乡裴家地村:“毛岩茶”高价的背后

村庄名片

村名:江山市保安乡裴家地村

经济状况:人均年收入12500元

一村一品项目:江山绿牡丹、毛岩茶

泡上一杯绿牡丹,芳香四溢,江山市保安乡裴家地村两委宽敞的办公楼内,村主任、裴家地茶叶专业合作社社长王岳华,向我们讲述着他和这杯茶的故事,思绪随着茶香弥漫开来。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0218/article_157595.html

 

浙江省衢州市の施政下にある江山市保安郷裴家地村。
この村は、江山緑牡丹の原産地です。
村の平均海抜は800mあまりで、年中霧に包まれ、雨も多く、茶の栽培に適した土地です。
江山緑牡丹は宋代には貢茶となり、北宋の蘇東坡は「色香味」が素晴らしく並ぶものがない(三絶)と讃えたほどでした。

山の人々は、山の恵みによって先祖代々暮らしてきて、お茶を交易の手段にしていました。
しかしながら、各農家がそれぞれ自宅で各々製茶を行っていたので、出来上がったお茶の品質は良くなく、結果、良い値段にはなっていませんでした。
「金の茶碗を持ちながら貧乏暮らしをする」という日々が続いていたのです。

 

あるとき、村の入口でお店をやっていた王岳華は、「山の人たちは、お客さんが来るのを待っているばかりで、買い手の好きなように値段を決められ、値段をつける権利を人手に渡してしまっている」と考えました。
「それならば、自分たちで加工工場を造り、外部に販売しに行き、販路が作れるのなら、村の人たちはもっと儲かるのではないか」と思ったそうです。

そこで、王岳華は村に初めての茶葉工場を作るとともに、近隣の300名あまりの茶農家と一緒になって組合を作りました。
組合+製茶工場+茶園+茶農家という経営モデルを選択し、生葉の購入と加工、販売を一元管理するようにしました。

組合ができる前は、1kgの茶葉は240元で販売していたそうです。4kgの生葉で1kgの茶葉ができるので、1kgの生葉は60元ほどでした。
現在、組合は生葉を1kgあたり240元で買い上げています。
「農家はお茶の栽培にだけ気を遣えば良くて、加工や販売のコストを省くことができる。こうした計算で、農家は協力してくれた」といいます。

外部に販売をして行くに当たっては、ブランドの重要性は前から認識していました。
しかし、初期の頃はその意識があまり強くなく、村の名前である「裴家地」の地域ブランドは他の人にとられてしまいました。
それを奪還するのが難しいと分かると、村では地元の状況にあった別のブランドを育て上げることに決め、まず2008年に組合が60万元あまりを投資し、QS認証をとった茶葉工場を立ち上げました。
そして、2010年に江山緑牡丹の原産地の「毛岩」ブランドを取得し、街の中に販売部門を設立しました。

ブランド化を進める中で、「毛岩」茶は、まず第2回国際名茶の金賞と中国精品名茶の金賞を獲得。
販売量は年々増えていき、我が省の杭州などだけではなく、北京や上海などの大きな街でも販売されるようになり、値段はどんどん上がっていきました。
昨年、この村の緑牡丹の1kgあたりの最高価格は3000元となり、平均価格も700元に達しました。

このような高価格になるのには、理由があります。
村の昼夜の温度差は大きく、病虫害も少ないので、茶園では化学肥料や農薬を使う必要がありません。
また、茶葉の品質を守るため、茶摘みは一芽一葉から一芽二葉の開きかけを標準としています。
さらに、 茶葉が柔らかいうちに摘むようにし、雨や露が付いている時は摘まず、茶葉が痩せているのも摘まず、病虫害にあった茶葉や紫の葉っぱなども摘まないように徹底しています。
茶摘みは清明節の前から行い、穀雨のあとには終わりになります。

原材料の良さだけではなく、伝統的な製茶技法も大変重要です。
各工程のやり方は、村にいる数十年の経験を持つベテランが厳格に管理しています。
「毛岩」茶では、炭火による火入れの伝統技法をいまだに守っています。
この方法は手間も時間もかかりますが、お茶の色あいと香りのすがすがしさを作るのに、必要な技術なのです。

裴家地村では、長く品質を維持することを目標に置いています。
現在、海抜1000mあまりになる毛岩山で、150畝の毛岩山茶園を開発しており、これができると、さらに高品質なお茶を作ることができるようになります。

組合は、村の江山緑牡丹の原産地としての厚みのある歴史と文化をよく利用しており、茶のテーマパークとしての開発にも着手しています。
くねくねと曲がる道路の両脇には茶樹の緑の景色が広がっています。
さらに茶文化をテーマにした映像を撮影し、これを上映する展示ホールを造っています。
ここには茶室も設けており、旅行客にお茶を味わって、購入することもできるようにしています。

統計によると、昨年、村の茶業による生産高は380万元あまりに達し、農民一人あたりの収入は12500元になりました。
茶業をこのような特色ある産業に育てることで、裴家地村は「江山市の裕福な村」「中国の幸福な村」などの評価を得るようになり、2012年には省委員会から、優れた行政の村に選ばれました。

 

まさに「村おこし」の成功例で、何もない農村を豊かにするためにお茶が活躍しています。
何事もやりようですね。

 

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