今、龍井茶の産地で古い樹を引っこ抜き、新しい品種に植え替える動きが進んでいるそうです。
しかし、長らくの龍井茶ファンはこの動きを「目の前の利益に目を奪われて」と嘆いています。
一体、龍井茶の里で何が起こっているのでしょうか?
“换种”成风 吹淡龙井茶香
http://news.t0001.com/2011/0222/article_120464.html
元々、龍井茶はこの地域に根づいた地方群体種(いわゆる在来種)で作られていました。
その在来種の中から、特に優れたものを選び出して育成されたのが、龍井の新品種とされている龍井43号や龍井108号などです。
ただ、この”優れた”という観点は、味が良いということよりも、むしろ”発芽が早い””病気に強い””産量が多い”などの農業経済学的観点から見て”優れた”品種ということであり、味わいに関しては、在来種よりも薄いとされています。
しかし、この新品種へ植え替える動きが、加速しているそうです。
新品種は芽吹くのが10日ほど早いのですが、いまや新茶は早ければ早いほど高く売れるというのが農家の常識となっていて、とにかく早摘みが出来るように農家は老茶樹を放棄して、新品種への植え替えを進めています。
農家同士の挨拶代わりに「今年は植え替えるかい?」という言葉が交わされるほどだそうで、3年後には西湖近隣の茶区の90%が新品種に取って代わられる、と見られています。
お茶は経済作物でもあるので、どうしても高値で売れるものへとシフトしがちです。
しかし、その一方で失われるものも大きいですし、また全てを新品種に切り替えると、茶摘みのピークが重なってしまい、昨今の茶摘み人不足の状況に拍車をかけることが想定されます。
このへんで市政府がリーダーシップをとって、ある程度の規制を掛けないと、古き良き龍井茶は失われていくのかもしれません:-(