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巴達山の野生大茶樹の発見が持つ意義

雲南省の巴達山にある野生大茶樹といえば、ちょっとお茶に詳しい方には有名な茶樹ですが、この樹の発見は、中国にとっては国の威信に関わる重大な発見だと考えているようです。

詳しい記事はこちら。

巴达野生大茶树的发现及其意义
http://news.t0001.com/2011/0209/article_119908.html

雲南は世界の茶樹の原産地で、解放後には原生や野生の大茶樹が発見されています。
1961年10月に勐海県巴達区で発見されたものは、古今例のない大茶樹で30mもの高さがあり、人を驚かせ、いぶかしがらせました。
その後、2回の調査を経てこの大茶樹は、世界でもっとも大きな”茶樹之王”であると証明されました。

この茶樹は、”黒山”と呼ばれる熱帯雨林の東南にある緩やかな斜面上にあります。その土壌は黄色い土で、土の層は深くて厚く、腐植質の含有量も豊富で、構造は良好です。植生は広葉樹が主で、藤や背の高いワラビ類などが混生しています。生態環境の中では樹冠が密集しているため、光の照度はあまり十分ではありません。

この茶樹は直立の大喬木で、枝分かれの部分は割と高く、枝や幹は比較的少なめで、高さは3212cmで、主幹の直径は100cm、樹冠の垂直投影の直径は約1000cmです。葉の分類で行くと、中葉型に属し、葉の形は楕円形、色は深緑で光沢があり、葉の長さは11cm、幅は6~7cm、平均7~8対の葉脈があり、鋸歯は28対、葉の周りの切り込みは浅く、葉間距離は平均3cm、枝や幹は灰白色で、生長は旺盛です。ただ、林の中は陰湿であるため、下の方の葉には白い藻の害がありました。

茶葉の中の主要化学成分は、分析によると、老葉の乾燥サンプルの百分率で、カフェイン1.14、可溶分21.27、水溶性タンニン6.07です。
外形の特性と含有成分の鑑定から見ると、野生茶樹であることが肯定されます。

実地調査の結果を分析すると:

まず、茶樹の生長した地点とその土地の環境から見ると、この茶樹は野生型的といえます。現在のその地域には人煙もまれで、森林は原子類型に近づいており、茶樹とその他の直径0.5m~1.5m程の樹木が一カ所に雑居しており、栽培したものであることはあり得ません。

つぎに、茶樹の樹形と姿から見るに、野生型であると見られます。幹が直立し、枝分かれが少なく、枝分かれ部分も高いということから、この種の構造は森林環境の条件の中に代々伝わったことに影響されて形成されたものであると見られます。なぜなら、大きな森林の中では、茶樹とその他の樹木は日光を得るための競争となり、縦方向への発展が日光を得るための保証となるからです。これに反して、人工栽培の条件(たとえば先端を摘み取り、採取する)の下では、枝分かれの部分は必ず低くなってしまうので、枝は横へ広がることを強いられるので、この茶樹ではあり得ないのです。

3つめとして、この茶樹の葉に含まれるものから見ると、栽培品質には欠けています。栽培茶の各主要化学成分を100として比較すると、カフェインは76%に過ぎず、可溶性タンニンは70%にしか過ぎません。また、この茶を摘んで飲んだ人たちの用言によると、「栽培茶のようには美味しくなく、味は苦くて渋みが多い」とのことです。一般的に言えば、農業技術はこれらの成分含有量を高め、品質を良くします。現在生産されている、あるいは試験中の藻のにはこのような主の特徴は見られず、この種の影響は遺伝によるものと考えられます。この茶樹の品質が低いというのは、栽培の影響を受けていないということを説明できるのです。

4つめは、茶樹の群落から見て、野生型であると思われます。この茶樹が生長している場所には、葉の形が相似した大きさの異なる茶樹が見られ、その数はかなり多くあります。これは茶樹が地表に種を規律無く散乱させたということであり、自然に分布したツバキ科の植物であると見られます。そのうちのいくつかの種は飲用には適さない茶樹で、これはこの地区のツバキ科の植物が、違った方向に分化した結果であると見られます。

最後に、この地区に住む人たちからは、この原始林の中に住んでいたりあるいはこのへんに茶樹を植えたという話を聞かないということです。

このような分析から見ると、この茶樹は野生型に属するということに何らの疑問も持てません。

茶は中国を源としています。我々の祖先は茶葉を薬として利用し、その後、飲料として発展させてきた長い実践過程の中で、豊富な経験を積み重ね、我々の民族文化を育て、世界の人々に栽培技術と飲用技術を伝えてきました。中国茶葉の歴史と技術は全世界で最高の名誉を得ます。

しかしインドは、中国の茶を植える技術を学び、中国の品種を導入して成功した後に、Samuel Baildonを首領とする一部の学者たちが政治的な目的のために、「茶葉の原産地はインド」という論調をねつ造し、インドの茶の外観を装飾して、中国の茶葉に対する功績を抹消するのは、国際市場から中国茶葉を灰場しようという卑劣な目的です。

このような人々の挙げる理由は、インドのアッサム地区には野生茶樹(Assamic)を発見しているのに(本当に野生でしょうか?)、中国は野生大茶樹を発見していないということです。同時にまた、世界の茶葉の種類はインド種一種のみであり、中国種は葉が小さく背の低いものが多いのは、これはまさにインド種が北へ移った時に中国の気候の影響を受けた結果だといいます:なぜインド茶が1200年も前に中国に入ったのでしょう?:なぜ中国には野生大茶樹がないのでしょう?などです。

解放後、我が国の茶葉研究者たちは党のリーダーシップの下に、この方面の仕事を重視し、民衆の力も得て、まず南方の海南島や貴州の仁懐、四川の古寧、福建の安渓、特に雲南各地で大量の原生と野生の大茶樹を発見しました。
これらのものは、いずれもイギリス人のでたらめに反駁する有力な事実です。巴達の野生大茶樹の発見は、イギリスやインドの一部学者の偽説に対してのもっとも有力な反撃です。
この野生大茶樹の発見は、茶樹の原産地が中国であることを示す、客観的事実なのです。

ちょっと長い記事でしたが、要は「茶の原産地は中国だ。異論は認めない」ということを証明するための証拠として、この茶樹王の存在は、中国にとって必要不可欠だというわけですね。後半部分は、やや国威発揚的です。
どうやら巴達山の茶樹王は、植物学的な功績以上に重たいものを背負っているようです。:-?

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