絶好調が続く安吉白茶ですが、自らで作った基準が仇になってしまうのでは?という観測が出ているようです。
一芽一叶采摘标准给安吉白茶套上了“紧箍咒”?
一芽一叶,是安吉白茶精品茶近乎苛刻的采摘标准,自2006年列入国家标准正式实施以来,精益求精、定位高端的安吉茶企就严格执行至今,已成为茶商、消费者挑选茶叶的一项评判指标。
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/a/201505/00001217.html
一芽一葉は、精品(訳注:安吉白茶の最高ランク)の安吉白茶の過酷ともいえる茶摘み基準です。2006年に国家標準として正式に施行されてから、絶えず改善を続け、高級さを保とうという安吉白茶の茶葉会社の厳格な運用もあって、茶商や消費者にとっては茶葉を選ぶ一つの判断指標になっています。
この過酷な基準は安吉白茶がたかだか30年ほどの時間で、国内の茗茶としての地位を確立した、汗水垂らした労働ということもできます。しかし、こと今日に至っては、多くの茶葉会社はこの基準は茶産業という面では一つの”金縛り”のようなものだと感じてきています。
<キーワード:人件費コストは40倍の差がある>
「ここで5年以上茶摘みを行った茶摘み人だけが、重さで給料を計算することができます」と渓龍郷大沢塢茶城の責任者・葉小方氏は、今年から新しい給料計算方法、茶摘み人の”新人”は日給で、5年以上の人は重さに応じて支払う、という制度を実施しました。”ベテラン”の給料は1日に200元かそれ以上にもなりますが、葉小方氏には計算があります。「ベテランの茶摘み人は経験があるので、一芽一葉の精品茶の基準で茶摘みができ、スピードも速いのです」。
彼の計算では、茶摘み人は1日当たり120元必要で、1日の茶摘み量は約3斤の生葉だとすると、1斤あたりの生葉の人件費は40元です。しかし、ベテランの茶摘み人は生葉1斤30元の計算でも、少なくとも5斤は摘めます。両者を比較すると、数字の上でも割に合うだけでなく、品質もまた保証されるのです。
「安吉白茶の茶摘み基準は非常に厳格で、他のお茶と比べると、人件費という点に関しては、市場競争力のスタートラインの時点で、既に負けています」と龍王山茶業の責任者・潘元清氏は言います。安吉白茶は国家標準によると、精品、特級、一級と二級に分けられており、そのうち精品と特級は一芽一葉が要求され、一級は一芽二葉、二級は一芽三葉が要求されます。
取材を受けた茶葉会社はこのように計算しています。安吉白茶の摘み始めの時期は、1人の茶摘み人は1日に大体1斤の生葉しか摘むことができません。しかし、その他の普洱茶、大紅袍などでは40斤も摘むことができ、4斤の生葉から1斤のお茶が出来るという比率で、1日120元の茶摘み人のコストと考えると、普洱茶や大紅袍の人件費はたったの1斤12元なのに対し、安吉白茶の人件費は1斤で480元も必要です。茶摘みコスト1つだけをとっても、安吉白茶は40倍以上も多いのです。
「コストが高いので、価格も高くなり、精品茶の地位を与えられて、”身分”が伴っているし、安吉白茶は茶業界でのブランドになっているとはいえども、市場競争力という面では客観的には弱いのです」と取材を受けた茶葉会社では考えています。長い目で見ると、茶摘み人の不足という危機も存在するかもしれません。
当初、標準の制定に関わった茶葉会社は、人件費がこのように上がるとは当時は全く思いもしなかった、と断言します。
<キーワード:利用率は低く、わずか5%>
品質面での向上余地は限られる中、数量、すなわち”利用率”の問題が明らかになってきました。とりわけここ2年ほどは、一芽一葉の茶摘み基準が持つ、もう1つの負の側面が目立つようになってきました。それは茶園の利用効率が極めて低いということです。
「苦労して忙しく1年を過ごしても、実際の茶摘みの時期は20日ほどで、一年の収益がどうかはこの時期だけを見れば分かります」と潘元清氏は言います。このような茶摘み基準を満たすために、茶園はこのような方法でしか育てることができず、他のお茶のように”採れるときに採る”というわけにはいきません。
業界内では知られるように、鉄観音などのお茶は1日に40斤摘むことができ、茶農家は”欲しいだけ”茶摘みをすることができます。しかし安吉白茶はそうではありません。一芽一葉の茶摘み基準では、1畝の茶園で1シーズンでは、一年間で採れる生葉は僅かに30斤前後でしかありません。
茶園の利用効率を高めるために、千道湾などの茶葉会社では2009年頃から、安吉白茶で紅茶を生産する技術の開発に取り組み始めました。6,7年の模索と市場のフィードバックを得て、”安吉紅”という紅茶はある程度の”規模”になってきました。龍王山、恒盛、峰禾などの会社では、年間の産量と販売量は一定の水準に達しました。
このように、峰禾茶廠の責任者である馬栄達氏は、茶園の利用率はまだまだ開発されきっていないと考えています。高級な明前茶は、摘み取れる茶葉の3~5%が利用されているだけで、残りの95%は無駄に浪費されているのです。彼はかつて、抹茶やマイクロパウダーの緑茶の生産にも取り組んだことがありますが、投入した資本は大きくても見返りは少なく、結局は止めてしまいました。
去年から、龍王山茶葉公司と浙江大学が協力し、白茶のフェイシャルマスクを開発しました。潘元清氏によると、白茶粉はこのフェイシャルマスクの原料の一つであり、茶摘みに対して何も要求は無いと言います。
利用率が低いことは、茶園の効率や応用商品の開発に現れているだけでなく、今年多くの大規模茶葉会社の経営者たちは、茶葉加工場のアイドルタイムをどう利用するべきかという問題について議論しています。
「1千万元以上の投資をして建てた工場も、一年のうちに1ヶ月しか操業せず、残りの時間は遊んでしまっています」と馬栄達氏はハッキリ言います。昨年、国外の茶葉会社と工場の貸し出しについて話し合いましたが、結果にはならず、今年もさらに何らかの方法を探していくつもりです。
<キーワード:応急措置をして、量の開拓を先行させます>
1斤80~160元。これは今年、渓龍青葉市場のある1日の価格範囲です。この倍以上の差はどこから来るのでしょうか?
「茶葉自身の品質を除けば、茶摘みの基準が最大の要素です」と潘元清氏は言います。個人経営の茶農家は、一芽一葉の基準に対してそれほど厳格ではなく、早くコストを回収したいということから、”とりあえず詰め込んできた”という現象がよく見られます。
言い換えるなら、ブランドを持つ茶葉会社は受け入れの際に検査を行う必要があり、これはブランド価値を維持するためにも必要です。しかし、個人経営の茶農家はこのような状況に直面しておらず、”したい放題”なのです。
彼によると、個人経営の茶農家はこのようなやり方で、市場を直接攪乱しており、茶葉会社にとっては、常々新しい取扱店から「どうして安吉白茶の臨時交易市場のお茶の価格はあなたのところよりもずっと安いのか?」というバツの悪い質問を聞かれ続けることになります。
このような状況は変えられるのでしょうか?
市場の規律という点から言えば、”一芽一葉”は安吉白茶の製品茶の品質についての評判における”代名詞”であり、市場に受け入れられ、認識もされています。標準を変えることは、この種の認知をひっくり返すことになり、安吉白茶の市場での評判とブランド価値に影響を与えてしまうなど、小さなことが大きな影響を及ぼすことになると言えます。
「まず採れるのは”応急措置”的な方法で、会社+茶園+農家の経営モデルの比率を高めることです」と潘元清氏は言います。オーダー式の農業になれば、より多くの茶園が厳格に一芽一葉の基準を厳格に執行する茶葉会社の中に入ることになり、茶葉会社はより多くの優れた生葉を手に入れることができ、茶産業の利益を拡大することになります。
オーダー型の茶園の比率を増やすためには、政府の関連部門や郷鎮の協力が必要です。「村の茶園を流動化させるという、かつての作業は地元の郷鎮に大変協力をしてもらいました」と潘元清氏は考えています。龍王山は現在、自分たちで2000畝の茶園を有しており、これらはオーダーを受けてくれる茶農家がいなかったからで、原因はここにあります。
ある茶葉会社は、”一芽一葉”の負の側面を打ち破るには、その対策は第一次産業の外にあると考えています。”安吉紅”だけでなく、茶の旅行、茶の飲食、茶のフェイシャルマスク、茶飲料など、現在あるものだけでなく、第二次産業や第三次産業にも拡張していくべきだと思います。
「最も重要なことは、この業界は一芽一葉の基準の良いところを享受するのとともに、負の側面についても考えなければならない時に来たということで、先々まで見通す意識が必要です」とある取材を受けた茶葉会社は考えています。
安吉白茶は非常に値段が高いことでも知られていますが、その根源には一芽一葉の茶摘み基準があるようです。ほんの僅かな時期にほとんどの収益を確保しなければならないという産業としてはバランスの悪い状態であるので、人件費高騰が続く中、これをどう変えていくかが今後の安吉白茶の未来を決めることになりそうです。