「寝かせれば寝かせるほど価値が上がる」というのはここ数年の中国茶のブームになるキーワードの1つです。
最近は、福建省の武夷岩茶がこのターゲットになりつつあるようです。
福建武夷岩茶兴起收藏热 专家提示勿忘品饮初心
上周《茶周刊》报道了《武夷水仙渐入冬日茶桌》一文,引来不少茶客关注。读者陈先生拨打本报热线说,自己以前收藏了一批上世纪90年代的老枞水仙,又听人说陈年岩茶的价格会不断升值,不知是否真的如此?如今价值多少?
本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2014/1218/article_176241.html
先週、雑誌『茶週刊』が報道した「武夷水仙がようやく冬のお茶のテーブルに」の一文が、多くのお茶愛好家の注目を集めています。読者の陳さんは、本誌のホットラインに電話をかけてきて、私が以前購入した1990年代の老叢水仙があるのですが、人に聞くと陳年の岩茶の価格もどんどん値上がりしているというのですが、本当でしょうか?今の値段はいくらでしょうか?と聞いてきました。
この陳さんの質問を業界の専門家に聞いてみると、専門家はお茶の収集についていくつかの提案をしてきました。お茶は結局のところ消費するためのものなので、収集をする際も理性を忘れずに、味わうことに価値をより重く置くべきである、と言います。岩茶の新茶を寝かせておくことは、火の味を取ることが目的で、茶葉の内質が熟成するのに従って、茶湯の味は古くなればなるほど、より香りが濃郁になりますが、これも茶葉がきちんとした保存をされていればのことです。
<武夷岩茶の保管後の飲用価値は倍増。国内外で収集ブームに>
同じ会社が作った武夷水仙の今年の新茶の価格は1缶60元で、7年寝かせた後の缶は380元になり、1990年代の品物になると、1000元あまりでも買いたいという人が出てきます。これはマレーシアのある茶人が教えてくれた本当の話です。
さまざまな老茶の値段が絶え間なく上がっていくのに連れて、陳年の岩茶の収集ブームも各地で蔓延しています。福建省や広東などの地域だけで無く、マレーシアやシンガポールの茶人たちもほんの僅かに残した陳年の岩茶を箱の底に宝物のようにしまっています。
陳年鉄観音や老白茶はその薬用価値に関わりがあり、プーアル茶は”飲める骨董”という響きの良い言葉を持っています。岩茶が寝かせた後に価値が倍増するというのは、”火”に関係があり、これによって茶の性格が決まっています。業界の専門家の分析によると、陳年の岩茶の価値が増す主な理由は、飲用価値の上昇と倉庫のコストなどのいくつかの理由によって決められるといいます。
清代の周亮工の『閩茶曲』で言う、「雨前が良いけれども、新茶は良くありません。火気がまだ取り除かれていないものが口に当たるからです。保管すると赤味が増し、値段も3倍になるので、各家々で1年間寝かせるのです」というのは、まさにこのような原理です。
元福建省茶葉品質検査所の所長で、国家高級茶葉加工員の陳郁榕氏によると、足火で焙煎した茶葉は成熟、安定の方向へ向かい、保存中に青みが増したりはしません。新茶を飲むと火の味が明確に出て、寝かせると俗に”退火”とよばれるように、ポリフェノール類の物質が転化し、茶葉はまろやかになり、茶の品質は高まります。新しく出来た武夷岩茶は、半年~1年寝かせてから飲むことを提案します。味や香りが最も良くなります。さらに5年、10年或いはそれ以上寝かせたものは、岩茶は品質が落ちないだけでは無くて、味もよりまろやかで豊富なものになります。
しかし、岩茶の収蔵は足火で焙煎した伝統岩茶に対してのものです。最近では、多くの茶商が閩南の消費者の味の好みに合わせ、火入れの少ない岩茶を作っています。こうした茶葉の火の抜けはとても早いのですが、香りもすぐに落ちやすくなります。
先週、厦門茶葉輸出入公司が開催した海堤茶葉品評会で、厦門茶葉協会秘書長で国家呼吸評茶師の陳志雄氏は3つの茶葉をお茶の愛好家たちに淹れて、品評をしました。この2つのお茶は、武夷岩茶の原料茶と今年の新茶、そして7年寝かせた陳年の岩茶で、どれも同じ大紅袍でした。これらを使って、茶殻、水色、味などの点で比較を行いました。
私が気づいたのは、今年出来たばかりの大紅袍の岩茶には明らかな火の香りがあり、やや辛く感じられました。茶湯も濃密で粟のお粥のようです。しかし7年寝かせた大紅袍は、香りもスムーズで、水色はより清らかで明るさが増し、味わいもさらに滑らかで厚みのあるまろやかな味になっていました。
原料のお茶との対比に関しては、多くの茶の愛好家が自ら武夷山の茶農家に行って茶葉を購入することは、より安いお茶の価格や品質を保証するものでは無いという困惑について理解するためのものです。陳志雄氏は、「岩茶は生葉を摘み、萎凋、做青、殺青と揉捻をすることで毛茶(初制茶)が完成します。続いて茎をとり、枝をのけ、老葉を取り除き、さらに見栄えの悪いお茶を取り除きますが、ここまでやってもまだ半分の工程に過ぎません。消費者が武夷山で購入する岩茶の多くは初期加工を行った原料茶であり、生葉のベースに軽い火入れを行ったものなので、茶殻の色は青緑で、水色は浅く、香りも雑で、淹れてみると苦味が出てしまい、さらに保存には向かず、保管していると香りがどんどん失せていきます。未精製の岩茶は食品の健康安全を保証することは出来ません。」当然、このようなお茶は収集には向きません。
このほか、市場では玉石混淆で、多くのお茶の愛好家は武夷山では無い地区で作られた岩茶を購入していて、こうしたお茶は煎が効かず、火にも耐えられないので、本当の武夷岩茶にある香気や味わいの濃厚さがありません。いわゆる、”意志の強い人は火にも耐えられる”ので、焙煎の火にも強くなり、味わいもより厚みとコクが出て、かつ煎も効くのです。
岩茶を寝かせると美味しくなる、と言ってもそれは伝統製法によってつくられた火入れの強い岩茶に限られるようです。
今飲んで美味しいお茶は飲みきった方が得策のようです。