中国茶ファンのためのデータベース&ニュース

  1. 産地情報
  2. 177 view

武夷山の大雨被害の状況

中国の広い範囲で大雨による被害が報道されていますが、武夷山でも茶園などに被害が出ているようです。

 

6月9日8時から6月18日12時まで、福建省南平市武夷山市では持続的な強い雨の天気が続き、この間に全ての郷鎮で累計の雨量が500mmを越え、都市部の降水量は679.5mmとなり、これは観測史上1998年に次ぐ史上2番目に高い数値を記録しました。

今回の持続的な雨は武夷山市の農業生産に様々な程度の影響を与えています。
統計によると、現在までに市内での農作物の被災面積は3073畝に及び、経済損失は1400万元あまりとなっています。

農家ができるだけ早く通常の農業生産を再開し、農家の損失を軽減できるよう、武夷山市農業農村局は直ちに農業技術者を組織し、畑の奥深くに入る「問診」を実施し、農作物の災害後の復旧に関する指導サービスを積極的に提供しました。

「今年これまでに植えた稲がすべて洪水で流されてしまいました、これにはひどく気を揉んでいます」武夷山市崇安街道松凹村の農家、周文福さんは言いました。降り続く雨のせいで川の水位が上昇して、田んぼが氾濫し、彼の家の田んぼ300畝あまりが程度の差はあれ浸水してしまいました。

「状況を知った農業技術者たちは、災害後の復旧作業を支援するためにすぐに私の家に駆けつけてくれました」と周文福さんは言います。現在、被害を最小限に抑えるために一緒に協力しているとのことです。

「米の生産期限が近づいている今、生産再開が急務です。損失を減らすために、私たちは大規模農家に対し、コメの直播を利用して被害を受けた田んぼに苗を補充し、移植するよう指導しています」と武夷山市農業農村局農業技術普及所の所長である呉良章氏は記者団に対し語りました。コメの直播は生育期間を短縮し、秋の寒さが近づくまでに、安定して増産する目的を達成することが出来ると言います。

 

星村鎮曹墩村の前渓茶園基地では、洲頭渓両岸の1000畝あまりの茶園が今回の降雨の影響を受け、茶園に木の枝、泥、ゴミなどが堆積してしまいました。
村の幹部や科学技術特派員は茶園に赴いて茶園の被災状況を調査し、茶農家に災害後の茶園管理作業について指導しました。

「茶樹が洪水によって水浸しになると、枝の上には青苔がつき、これによって茶葉の通気性が阻害され、間接的に茶葉の産量に影響します」と武夷山市科学技術特派員の甘興旺氏は言います。このような洪水に浸かってしまった茶園は、まず茶園の中にある枯れた枝を取り除き、次に排水に注意して、速やかに茶園の中に溜まった水を排出します。
その後天気が少し良くなったら、さらに病虫害の防除を行います。
地元の農業担当部門によると、今後も専門の技術スタッフを組織して畑の中に深く分け入って、農家に溝からの排水、病虫害の防除作業などを指導して、被災後の速やかで秩序ある農業生産の恢復を図るとしています。

今回の強い雨は武夷山の旅行業にも波及しています。
有名な観光都市ではありますが、10日近い強い雨が続いたことで、11のA級旅行景区のインフラ設備が様々な程度の損害を受けてしまいました。
12日から旅行客の受け入れを停止してから、旅行業界の直接的な経済損失は約1200万元となっています。
洪水期が終わった後、景勝地の美しい「外観」を復元することは重要な課題となっています。

この目的を達成するために、武夷山景区は迅速に行動し、6つの建設チームを景区の各地に派遣し、倒れた樹木や斜面崩壊の撤去、災害ゴミの除去、観光ルートの洗浄、インフラの整備点検、道路検査、ならびにスマート景区システムの検査、電子機器の検査とメンテナンスを行い、合計109台の車両と300台以上の竹いかだを消毒して、景区の安全かつ秩序ある開園を確保しました。

6月22日、武夷山の九曲渓では、洪水が引いた後、水は緑色で透き通っていて、滔々と流れていました。掃除と修理が行われた竹製のいかだ乗り場は清潔で整然としており、観光客は整然と列を作り、竹いかだ下りの体験を待っていました。その日の午前中は、2000人以上の観光客が竹製のいかだに乗って川を順調に下り、武夷山の自然の美しさを鑑賞しました。

「豪雨が終わった後は、一方では災害後の受け入れ能力の回復に、もう一方では観光市場の回復と発展に焦点を当てていきます。次に、私たちは暑い時期に合わせた、探検、学習、茶を探す、避暑などの観光商品のルートやイベントをプロモーションし、観光市場の総合的な回復を促進します」と武夷山市文化スポーツ観光局の謝映華副局長は述べました。

 

昨今の中国では、災害などの報道はネガティブになりがちなので、あまり報道されません。
今回のような形で、地元政府の対応を称賛するという形で被害の状況が明らかになるのですが、川沿いの低地などの茶園は被害を受けた模様です。
また、斜面などにある茶園も土石流などの影響を受けているケースがあるので、そうした様子は徐々に判明していくものと思われます。

産地情報の最近記事

  1. 四川省沐川県の”窨花紅茶”が注目を集める

  2. 貴州省思南県、紅烏龍茶を初出荷

  3. 福建省南平市建陽区、駿眉中国・茶産業園プロジェクト調印式を開催

  4. 日除けを被る西湖龍井

  5. 横州市のジャスミン収穫が最盛期に

関連記事

PAGE TOP