中国でも抹茶の生産が本格化しています。
浙江省金華市武義県の様子を紹介している記事がありました。
連日、浙江省金華市武義県の白姆郷金壇村では茶山から水蒸気が立ちのぼり、薄くかかった霧の下に隠れた茶樹が青々としています。2年あまりの栽培を経て、ここは抹茶生産のための優良な原料を供給するスマート茶園であり、既に最初の形が出来ました。
茶の起源は中国であり、世界で流行しています。武義県は浙江省中部にあり、”有機茶の郷”、”中国有機抹茶の郷”、”中国有機茶業発展模範県”などの称号があり、茶産業は地元の農業の重要な支柱産業であり農民の収入の重要な源泉の一つとなっています。
「摘み取った茶葉を抹茶に製造すると、輸出の利潤は伝統的な茶葉よりも高くなります」と武義県の茶農家・祝凌平さんは言います。彼の経営する会社は2018年から抹茶産業に参入し、2019年には約2000万人民元を投資し、先進的な設備を導入して、全自動化碾茶生産ラインを4本、抹茶生産ラインを1本建設し、年間の碾茶産量120トン、抹茶100トンを実現できます。
武義県農業農村局茶葉技術サービス所所長の周小芬さんによると、抹茶の生産技術の流れを簡単に説明すると、蒸青-碾磨-超微粉砕-低温乾燥-抹茶などの順序になります。抹茶を製造するには、アミノ酸、タンパク質と葉緑素の含有量がやや多い茶葉を必要とし、同時に原料中に含まれるカフェインの含有量を低くすることが求められるので、このために生葉を摘む時期、葉片の大きさなどが揃っていることが要求されます。抹茶の活性成分をよく保存するために、栽培の過程では必ず茶樹に対して太陽光を遮り、加工工程においては始終、比較的低温の状態下で進める必要があります。
統計によると、武義県には現在4つのデジタル茶工場、3つのスマート茶園があり、機械での茶摘み面積は約8万畝で、機械での茶摘み率は70%、抹茶有機生産認証企業は4社、抹(碾)茶加工生産ラインは31本あり、関連するデータでは浙江省でも上位にあります。
「今年の9ヶ月で、武義県の輸出茶葉は942.5トン、総金額は493.3万米ドルで、それぞれ昨年比で7.5%と28.4%の伸びになっています」と金華税関の武義事務所の責任者は言います。
取材によると、武義県の抹茶は現在既に日本、アメリカなどに輸出されているとのことです。地元の茶葉会社がより海外市場を開拓できるように、金華税関では専門家チームを組織し、”一企一策”の個別対応の支援プランを制定し、製品の品質の向上、貿易技術障壁への対応、地域ブランドの育成などの面で、企業にサポートを提供しています。
抹茶専用の茶畑の開発や自動生産ラインの導入なども積極的に導入しているようです。
機械摘みの採用など、コスト低減もかなり進めているようなので、世界の抹茶需要が菓子用途などの低~中級品に偏っている現状では、強力な競争相手になりそうです。