中国の多くの地域で熱波と干ばつの被害が出ていますが、これに乗じてデマもだいぶ広がっているようです。
ネット上では西湖龍井茶の90%が枯れる被害に遭った、という話が出ていたようなのですが・・・
ここ2日ほど、「西湖龍井の茶樹の90%が干からびてしまった」という情報が検索ランキングで上がっていました。そこで、杭州市農業農村局、杭州市農業科学院茶葉研究所に確認しに行きました。「私たちは毎日茶園の中を歩き回っていて、乾燥してしまっている状況は確かにあります。しかし9割が干からびたというのは、あまりにも誇張しすぎています」と種植業種業所の責任者は言います。「茶樹の葉が日焼けして焦げてしまっても、茶樹が死んだことを意味していません。枝に緑色が活き活きとしてさえいれば、茶樹は秋すぎにはすぐに生気を取り戻すでしょう。現在私たちが観察したところでは、西湖龍井茶の産地の大体10%の茶園が干ばつの影響を受けていて、干からびている状況が出ています」。
以前メディアでも報道されていたように、最近、高温と少雨が連続したことから、一部の西湖龍井茶の茶樹は少なからず痛んでしまっていますが、茶樹の生長リズムからすれば、水分をきちんと与えてあげることができれば、老葉の上からまた新しい新芽が出てきます。そこで、現在、茶農家の方たちは様々な手を尽くして茶樹に水を与えています。
杭州市西湖区上城埭村には全部で300戸あまりの茶農家があり、茶樹の栽培面積は1167畝あります。茶樹が”干からびる”という状況に直面し、茶農家は天気の変化に気を配るだけではなく、タイムリーに日除けネットを掛けたり外したりしていますし、村では毎日決まった時間に光明寺ダムの取水口を開けて、茶農家の灌漑用水を確保しています。
浙江杭州市西湖区上城埭村の茶農家・杜永浩さん:今年の茶樹の90%はもう干からびてしまいました。
持続的な高温は西湖龍井の茶樹に焦げて黄色くなり、丸まってしまうという状況を起こしました。茶農家の方によると、茶樹の生長に適した温度は10~25℃で、連続的に強い光が当たって、高温で干ばつが8~10日続くと、茶樹は日焼け秒を起こすかもしれないと言います。
茶樹の生長リズムでは、てっぺんの枝や葉が枯れて被害を受けても、水分をたっぷり与えれば、下の方の老葉のあたりからまた新しい側芽が出てきます。現在、茶区内の山塘ダムは毎日定時に開放され、茶園の干ばつ対策を全力でサポートしています。しかし、ダムから遠いところの茶園には水源が無く、灌漑をタイムリーに行うことができません。この問題に対応するために、農業部門は気象部門と緊密に連絡を取り合い、人工降雨などを行うなどして、干ばつの影響を軽減しようとしています。
どうやら、ニュースで茶農家の方が最近植えた茶樹が90%枯れたというコメントを発したところ、西湖龍井の茶樹が9割ダメになった、という話になったようです。
今のところは、ダムの水などを使って灌漑をしていますが、長江の水位も随分下がっていることが報じられているので、これ以上の熱波の長期化となれば、影響はより大きくなりそうです。