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高温続きで西湖龍井茶の茶樹が焼け焦げる

今年は世界的に高温が問題になっていますが、浙江省杭州市の西湖龍井茶の産地でも、深刻な高温被害が出ているようです。

 

連日の高温紅色警報が続いていますが、人々が暑さに耐えきれないと思うだけではなく、西湖龍井もまた”抗うことが出来なく”なっています。

浙江省気象部門の統計によると、今年は梅雨明け以来、浙江省の猛暑日数は記録を更新し、35℃以上の猛暑日が省内平均で31日あり、史上最多となりました。連日の持続的な高温は西湖龍井茶一級保護区内の一部の茶園で、葉が紅くなる現象をもたらしています。

成一さんは、杭州市西湖区龍塢茶鎮の茶農家で、家には6畝あまりの茶園があり、ここ数日は毎日山に行って、茶園の損害状況を調べています。彼の話によると、高温と干ばつで約半分の茶樹のてっぺんの部分が焼け焦げてしまっており、今年の減産面積は3分の1になる見込みだと言います。

杭州市郷村振興サービスセンターの副主任である周光明氏によると、今回の影響が比較的大きかったのは主に龍井茶樹の若い苗で、陽に当たる時間が比較的長くて、土の層が比較的薄く、根系がやや弱く、品種的に耐干ばつ性に劣るなどのことから、茶樹に損害が出てしまっているとのことです。西湖区に関して言えば、現在のところ、5千畝の茶樹のてっぺんの部分が焼け焦げており、大部分は”龍井43”品種です。

杭州の多くの茶農家は、龍井茶が高温をやり過ごし、安全に夏を過ごすことを助けるために、干ばつ対策に動き出しています。

最近、他の街から杭州に戻ってきたばかりの90後の茶農家・陳駿辰さんは、すぐに茶山に向かい、早朝3時に家の年長者とともに、茶園の干ばつ対策作業に当たっています。地元の茶農家も、今年のようにこんなに毎日高温が続く時は覚えが無いとのことで、「今年の高温と干ばつは以前の2013年のそれを上回るもの」と言っています。

深夜、翁家山村では茶農家がまだ山に水を撒いていた

 

西湖区翁家山の茶農家の周国強さんによると、「先週末から、私たちは毎日、朝と晩には山に行って、水を撒き、日除けを片付け、雑草を取ります。もっとも、温度が高いと言っても、今年は例年に比べれば楽になっていることも多いです。私たちの山の茶園の多くは九渓(訳注:川の名前)から水をくみ上げられるようになっています。水を使う人が多いので、水が溜まるまでには待つ必要がありますが、皆、きちんと順番を守っていて、ちょうど時間になったらやってきて、夜通しやることもできます」と言います。

取材によると、2013年の極端な高温を経験してから、西湖街道は徐々に干ばつ対策の貯水池とスプリンクラーシステムを建設しており、60個の干ばつ用貯水池を建設、改良し、総蓄水量は3100㎥あまりあり、各村の干ばつ対策用の水道管、ベルト、ポンプなどの干ばつ対策設備の設置に力を入れています。この前に、周国強さんは、翁家山村の九渓から水を汲み上げ山に送るシステムが今年8月に正式に稼働していることに触れています。パイプの敷設延長は1000m近くあり、毎日絶え間なく水を送り続けている状況であるので、100畝の茶園を灌漑することが出来ています。

九渓から水を山に汲み上げるシステム

龍塢茶鎮は西湖龍井茶最大の産地で、かねてより”千年茶鎮、万担茶郷”の呼び名があります。茶農家の沈生栄さんは、ここ数日、毎日火が落ちると山に行って水を撒き、夜の十時くらいまで休みはありません。龍塢茶鎮の上城埭村では、多くの茶農家が山の上の茶樹に黒い日除けネットを掛けるようになっていて、直射日光を避けるようにしています。

周光明氏によると、現在、杭州市郷村振興サービスセンターでは既に何回かの指導を茶農家に対して行っており、ある条件の場所では日除けネットで覆うことや、茶園には4、5日ごとに1回水を撒くこと、浸透をさせるために、水を撒き終わった後はワラを使って覆うことなどを求めています。干ばつが終了したら、被害を受けた新しい苗を速やかに植え直すことにしているとのことです。

今回の干ばつが来年の新茶に与える影響について話が及ぶと、周光明氏は現在のところ、影響の大きさを判定することが難しく、干ばつの状況が落ち着いてから、再度調査するまで待つ必要があります、と話しています。

 

杭州では2013年に、高温続きで西湖龍井茶に広く被害が出たことがありました。
その経験から、一級保護区などでは灌漑システムなどが整備されているのですが、新しく開発された龍塢などでは、まだ不十分なところもあるようです。
高温は今後も続く予報が出ているので、今後も予断を許さない状況が続きそうです。

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