すっかり定着した感のある白茶餅ですが、その作り方を写真で紹介した記事がありました。
白茶緊圧餅は初期の頃は機械化されておらず、人手によって緊圧して餅にしていたので、あるものはきつく緊圧され、あるものはゆるく緊圧されていました。その後技術が進歩し、設備にも熟練してきたので、白茶の餅に緊圧する技術は徐々に完璧なものになってきました。
白茶の緊圧餅茶が白茶の保管の有利な点には、主にいくつかの原因があります。
1.散茶に比べて、倉庫のスペースを節約できる。
2.餅茶の味わいの方がよりまろやかで厚みがある。
3.輸送に便利で、過度な損耗を避けることができる。
白茶はどのようにして餅の形に緊圧するのか?
白茶の緊圧工程は他の緊圧茶とその過程は大体一緒ですが、ただ少し細かな違いがあります。白茶の緊圧工程は主に8つの工程に分けられます。
分検(茶葉の検品・検は正確には、てへんに検の右側)
緊圧する前に、散茶に対して分検を行う必要があります。
分検は主に茶葉の中にある雑質、および厚片、老葉、大きな茎などを取り除くものです。これを細かく調整することで、茶餅の品質を高めることができ、茶餅の緊圧密度を確保することができます。
去末(粉末の除去)
分検が終わったら、去末です。
白茶は乾燥度がきわめて高く、含水量が低いので、保存と輸送の過程で、容易に砕け、粉末が多くなり、これが茶餅の味わいに影響を与えます。去末をすることで味わいを良くすることが出来ます。
称重(計量)
1つの白茶茶餅の重さでよく見かけるのは、6両の重さ、すなわち300gです。しかし、緊圧の過程である程度損耗するので、毎回計量する際は少し多めにします。
蒸軟(蒸して柔らかくする)
称重ができたお茶を、布を置いた蒸気発生器の上に置き、茶葉を軟化させ、その靱性と弾力性を回復させます。
蒸軟は簡単そうに見えますが、その技術要求は低くはありません。茶葉の葉っぱに蒸気を通すことが必要ですが、長く蒸してしまってはいけません。蒸気が通っていない茶葉は茶餅にすると容易に砕け、外観の美しさや味わいに影響します。蒸すのが長くなりすぎると、白茶の内質、香気が流出し、乾燥が難しくなり、茶餅の品質に影響するのです。
圧型(圧力を掛けて成型)
圧型は蒸し上げた茶葉を、圧製機の餅の型にいれ、適切な力で、圧力を掛けて成型することです。
圧型工程の鍵は茶餅を固める程度です!あまりにもきつく固めると、茶葉内の物質が破壊され、この後の乾燥が上手く行かなくなり、崩して飲もうとするときにも崩れにくくなります。あまりにも緩く固めると、形が整わず、簡単に崩れてしまい、そのあとの保存も上手く行かなくなります。
さらにもう1つ、日常的に白茶餅を見るときに気をつけて欲しいのは、黒い塊や黒い線が入っていることで、この主な原因は初期の頃の技術や包装の限界により、餅の中心部分に圧力がかかりすぎているためです。しかし、現在は技術的に進歩しているので、黒い塊の問題は起こりにくくなっています!
攤放(置いて冷ます)
緊圧できた茶餅を布でくるみ、篩の上に乗せ、涼しい場所に置いて、空気を通し、湿気を取り、少し乾燥させたあと、餅の固める度合いが基準に達しているかどうかを検査します。
乾燥
冷ました白茶餅を乾燥機の中に入れ、低温でゆっくりと乾かします。この家庭には一般に3日前後かかり、自動化された乾燥機を使い、正確な乾燥時間と温度のコントロールができます。しかし、それでも経験のある茶師がつきっきりで目を配り、停電やその他の原因で茶餅に問題が起こらないかどうかを避ける必要があります!
乾燥で最も鍵となるのは、茶餅の中の含水量が基準に達しているかで、餅の重さや状態によって乾燥程度を把握し、乾燥基準に達したら、静置し、最後に紙で餅を包装して、箱に入れて転化させます。
通常、緊圧した白茶茶餅に用いる散茶は少なくとも3~6ヶ月以上寝かせたもので、福鼎の乾期の時期(夏と秋)の、湿度が低く、環境も乾燥した時期を選ぶことで、茶餅の乾燥も早くなり、中と外のどちらにも空気が通り、その後の転化もよく進みます。茶餅というのは一見簡単そうに見えますが、しかし、これだけ多くの環境と複雑な工程を経ているもので、我々の手元に来るまでにも、簡単にはできないようないろいろな工程を経て来ているということが分かると、1枚の茶葉がとても貴重なものに感じるのではないでしょうか。
緊圧の工程は、簡単にいえば蒸して重石をして固める、ということになるのですが、実際にはさまざまな技術が応用されているプロの技です。
こうした工程と起きやすい問題点を知ると、製品への思い入れや生産者へのリスペクトも生まれると思います。