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普洱茶の名産地・昔帰の忙麓山

プーアル茶の名産地として知られる臨滄市の昔帰にある忙麓山について紹介する記事がありました。

 

全ての大葉種茶の中で、個人的に最も好きな名前は昔帰です。
”昔帰”は一種の詩情に富んだ名前で、読む度に心の中に少し物寂しく、悲しさで塞ぎ込むような気持ちがあらわれ、それを断ち切ろうと思っても切れず、整理が付かなくなります。

清末から民国初期の『緬寧県誌』には、「茶を植える家は県内に6,7千戸あり、邦東郷の蛮鹿、錫規が最も著名で、蛮鹿茶は色も味も良く、ほかの産地のものを上回っています」と書かれています。ここで言う蛮鹿は、現在、忙麓と呼ばれていて、錫規は現在、昔帰と呼ばれています。
昔帰の古茶園の多くは半山一帯に分布していて、森林の中に混生しており、古樹茶の樹齢は約200年です。
昔帰に行く前は、昔帰は一つの山だと思っていましたが、実際はそうではなくて、昔帰とは瀾滄江の西岸にある、ひとまとまりの山の斜面です。
高山の雲霧は良いお茶を生むといわれますが、昔帰は特例で、昔帰の平均海抜は750mほどで、雲南の中でも比較的低い海抜に属します。しかし、昔帰のお茶は非常に珍しいのです。
昔帰茶は邦東大葉種に属し、茶葉は薄くとても長くて、撚りは揃っており、色は墨緑です。淹れると茶湯の色は金黄で透明感があって、澄み渡った茶湯が目を楽しませます。
香りと味を聞くと濃郁で覇気があり、香りが四方に漂い、茶杯の底には淡いキノコのような香りが残ります。甘い香りは独特で長く続き、少し淡いスッとした涼感があり、味わいはアルコールのような厚みがあります。この地域の茶の香りは独特で、特有の”キノコの香り”、戻りの甘さもあり、茶気も強く、さらに柔らかく滑らかな味わいです。

忙麓山は風光明媚で、自然の景観も十分に魅力的です。土壌は瀾滄江沿岸に典型的な赤紅壌で、森林の植生は亜熱帯期雨林で、林の中には紅椿、クスノキ、フィカス・アルティシマ(訳注:ゴムの木のようなクワ科の植物。観葉植物にも)、シダ、橄欖、野生のマンゴーなどの植物があります。

 

昆明からでも553kmほどあるので、かなり行きにくい場所ではありますが、特徴あるお茶を出す名産地です。

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