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貧困県にUターンした4人兄妹が作る黄茶

河南省信陽市商城県は、中国政府が指定する貧困県リストに名前の挙がる地域です。
ここに4人兄妹が作った黄茶(品種的黄茶)の茶園があり、収穫の時期を迎えているようです。

4月12日,站在商城县双椿铺镇顾畈村安利农种养殖专业合作社的山顶上,放眼望去,近千亩的黄茶园在阳光照射下,金黄发亮,生机盎然,微风吹过,悠悠茶香,沁人心脾,200多名采茶工正背着竹筐采摘鲜叶,场景极为壮观!
这片黄茶是严长彬、严长来、严长华、严长芳兄妹四人在2014年年初栽下的,至今已累计投资上千万元。

4月12日、商城県双椿鋪鎮顧畈村の安利農種養殖専業合作社の山頂に立って、あたりに目をやると、千畝近くの黄茶園が太陽に当たり、金黄に光っていて、生気に満ちていて、そよ風が吹き、茶の香りが漂い、心に染みわたって、200名あまりの茶摘み人が竹かごを背負って生葉を摘んでいる風景はまさに壮観です!

商城県特産局事務室の主任・馮一中氏は、このように大規模で連なった黄茶園は、信陽市さらには河南省でもとても見られないものだといいます。
2018年、兄妹4人が植えた最初の黄茶が、杭州市で開催された第二回中国国際茶葉博覧会で初めてお目見えすると、多くの人に取り囲まれました。「多くの人がとても驚いていて、彼らは信陽毛尖、信陽紅は知っていたけれども、信陽で黄茶を植えているとは思わなかったと口々に言っていました」その時のことを思い出して、厳長来氏は楽しそうに言います。
黄茶は新梢の芽葉が黄色に変異する珍しい品種で、新梢が四季を通じて黄色く、乾茶も明るい黄色で、水色も黄色であることからその名があり、その最大の特徴は”三黄透三緑”で、すなわち色沢は金黄透緑、光潤匀浄;水色は鵝黄隠緑、清澈明亮;葉底は玉黄含緑、鮮亮舒展です。黄茶は甘くて爽やかで香りは清らかで鋭く、アミノ酸の含有量は9~11%で普通の緑茶の2~3倍です。茶ポリフェノールの量は12~15%に達します。
「私たち兄妹4人は、まさに黄茶の優れた品質、独特さ、そして広い市場の先行きをみて栽培を始めたのです」と厳長来氏は続けて紹介し、「植え始めたときはたくさんの困難に直面しました。茶苗の成活率は低く、1年に3,4回追加で植えました。ずっと模索を続けることで、ついに無根系茶苗を栽培する成熟した技術を手に入れました」。
数年の成長を経て、兄妹4人の茶園は当初の400畝あまりから、現在は800畝あまりにまで成長し、効益もどんどん良くなっていて、今年の純利益は100万元以上になると見込まれています。彼らは商城県産の黄茶を自らのブランドとして登録し、製品はさらにSC食品生産許可認証を獲得しました。

「一人が豊かになってもそれは豊かになったことにならなくて、村全体が豊かになることが本当の豊かさです」と長男の厳長彬氏は言います。「私たちは”組合+貧困世帯”の扶助モデルを採用し、組合の社員に加盟することで、村民の荒れ山と畑を流動化し、周辺の郷村から貧しい人々にさまざまな就業の機会を与え、壮大な黄茶産業に成長させ、村にみんなで一緒にお茶を植えて豊かになりたいのです。見てください、現在茶園では1日に少なくとも300人以上のスタッフが必要なんです」
忙しそうに茶摘みをしている郭窯組の貧困世帯の厳広英氏は、毎日朝早くに自転車に乗ってやって来て、普段は茶園の管理、除草施肥、剪定や土の手入れを行い、生葉を摘む季節になると茶摘み人と一緒に茶摘みをします。「茶摘みの費用は1斤60元で、手が早い人は1日に200元あまりを稼ぐことが出来ます。昼には昼食も出るんです」と厳広英氏は嬉しそうに言います。
黄茶の品質を高めるために、彼らは茶園の中間には、桃、梨、リンゴ、サクランボなどの20種類あまりの果樹を植えています。茶園の管理は全て人手による除草で、有機肥料を用い、誘虫板と太陽光殺虫灯による病虫害予防を採用しています。

「春になってから、茶園の桃の花、梨の花、サクラの花が争うように花をつけていて、多くの観光客がやってきて、写真を撮っていきます。ここは”網紅茶園(訳注:網紅とはネットの有名人。人気YouTuber、人気ブロガーのようなもの)”にもなっています」と厳長来氏は興奮して言います。「黄茶産業はきっともっと大きく、もっと強くなるはずで、そうなれば村の人たちも早く貧困を脱して、より良い生活を営むことが出来るようなるでしょう」。

双椿鋪鎮党委員会書記の梅楚平氏は、黄茶産業の急速な成長を支援するために、地方政府はさらに3kmの茶園の周りの道路舗装と専用変圧器などの電気つについてのプロジェクトを勝ち取っていて、彼らが急速に成長することを助け、この地域の貧困を脱出して豊かになるための特色ある産業として、さらに農村の振興に彩りを添える産業となることを支援し、より多くの農民にこの産業がもたらすメリットを享受できるようにしたいと考えています、と述べています。

 

中国政府は農村の貧困解消のために、茶産業を重要な産業として位置づけています。
野菜などと違い、乾物である茶は輸送距離の問題などもクリアできるため、このような事例は中国各地でどんどん出てきています。
なかでも品種的な黄茶の茶園は、その価格の高さからも、まさに”黄金の山”として映っているようです。

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