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広東省東部の茶園、催芽剤と寒波の影響で大幅減産

中国では茶摘みの時期が早まっている理由として、温暖化や栽培技術の進歩ばかりでは無く、”催芽剤”という薬の使用も疑われています。
折からの寒波の影響で、催芽剤を使用した単叢の産地では春茶が大幅減産になる見込みとのことです。

粤东多地茶区春茶或近半失收 催芽剂惹的祸

早く発売した方が良い値段で売れるという伝統から催芽剤を撒き、思わぬ寒波で新芽が凍死し、茶の値段は少し上がる見込み

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/a/201602/00003924.html

例年、元宵節前後は潮州市潮安県の鳳凰名茶、饒平県嶺頭村の白葉と梅州市興寧市などの春茶の茶摘み時期ですが、これまで多くの茶農家が”かつての経験”から春茶の発売を早めるために、催芽剤を打ちましたが、たまたま今年1月の霜や凍結のある極めて寒い天候に当たり、今年の春茶は多くの茶農家が半分近くの収穫を失う事態に直面しています。

 

<伝統:発売を早めるため、催芽剤を愛用>

ここ数日、本紙の記者は潮安県鳳凰名茶の産地と饒平県、坪渓嶺頭茶区、梅州市大埔県、興寧市などの産地に深く入って調査を行い、多くの茶農家は例年なら収穫するはずの茶園に向き合い、どうしようもなくなっています。潮安県鳳凰鎮の何名かの茶農家は、「もしこれまでの経験で催芽剤を打ち、運悪く1月の極めて寒い天気に当たらなければ、今年の春茶はおそらく大豊作になるはずでした。しかし、天の神様の奇襲で、新芽は凍死してしまいました。単なる”古い経験”には注意しなければなりません」

広東省東部の茶区は、潮安県鳳凰鎮鳳凰単欉茶の栽培の歴史は古く、700年あまりの歴史があります。鳳凰茶の品質は自ずと、何度も名茶との評価をされてきました。鳳凰山地域は現在約5万畝の茶園があり、地元の茶農家の主な収入源となっています。海抜300~400mから、1400mあまりまでずっと”植えられて”います。梅州市の茶葉の栽培は多くは海抜300~500mで行われています。
鳳凰鎮の地元の人の言い方によると、平均海抜が400mの茶園は低山茶で、海抜600~800mが中山茶で、海抜1000m以上こそが高山茶と呼ばれます。
鳳凰茶区では毎年、茶摘みは頭春茶、二春茶、夏茶、秋と冬に摘まれる秋茶と雪茶の五種類です。鳳凰茶区では毎年5回摘みますが、産量は12000トン前後と見積もられています。
春茶の摘採量は1年の約半分を占めます。市場での競争のため、多くの茶農家は春茶を早く発売すれば良い値段で売れるので、ここ十数年あまり、催芽剤の使用を好んで行ってきました。
鳳凰鎮の李という名字の茶農家は、人の計算は天の計算には及ばなくて、彼の家の数十畝の低山茶園は今年の頭春茶は”全軍壊滅”とのことです。鳳凰鎮から梅州市のある地区の茶園に行ってみると、昨年末に催芽剤を打った茶樹は、新芽の凍死という悪運からは逃れることができなかったようです。

ある資料によると、茶樹の催芽剤は一種のホルモンに属し、茶樹の根の発達を促して、生長を早め、茶芽をより多く出すことができます。しかし、茶葉は小さく薄く、味わいは薄くなります。催芽剤を打たない茶樹は、発芽はゆっくりになりますが、味わいはより濃くなります。

 

<今年:稀な寒波に遭遇し、新芽は凍死>

茶区に行ってみると、催芽剤を打つ茶園の多くは低山や中山のところにあり、高山茶園は日中と夜間の温度差が大きいので、催芽剤を打っているところは極めて少ないことがわかりました。鳳凰鎮烏岽村の海抜1000m前後にある、文という名字の茶農家によれば、高山では霜で凍ったり、凍結することがよく起こるので、敢えて催芽剤を打とうとは思いません。ただ、茶摘みの時期は清明節前後にまで遅くなります、と言います。

鳳凰鎮のある茶葉会社によると、鳳凰山の高山名茶は、年間の産量は鳳凰茶区の茶葉生産量の約5分の1に過ぎません。茶農家の話によると、茶樹に催芽剤を打つのは一般的には昨年の冬至前後だそうです。およそ2回目の催芽剤噴霧のあとに、茶樹は新芽を出してくる、と言います。春節が過ぎて、元宵節になると、茶摘みを開始し、加工すれば春茶の最初のお金が入ってきます。

ある林という名字の茶農家は、今年1月23日の夜10時から24日の早朝にかけて鳳凰山には大雪が降り、彼が催芽剤を打った茶園は、もともとは一面の緑でしたが、1月24日の午前中には一面の銀世界に変わっていました。彼は「茶樹の新芽は凍死してしまい、今年の頭春茶は終わりました」と言います。梅州市のある茶園では、陳という名字の茶農家は、1月下旬の極めて寒い天候は彼の人生でも初めて見るもので、彼が催芽剤を打った新芽は4~5割が凍死してしまった、と嘆きます。

 

<影響:茶樹は整枝が必要。茶の価格は上昇か>

ある農業部門の担当者は「催芽剤を打った茶樹は、被害が深刻で、一部を切断する処理を行う必要があります。これによって、茶樹の新枝を促し、新芽を長くするのです」と言います。

いくつかの茶区と広東省東部のいくつかの大きな茶葉市場に取材をしたところ、広東省東部の多くの茶区では、今年の頭春茶はこれまで記してきたような影響を受け、半分近くが収穫を失う事態に直面しているとのことです。元宵節を過ぎた後、今年の頭春茶は大幅な減産となる見込みで、市場価格も少し上昇する可能性がありそうです。

現在、各地の茶農家は苦痛を思い出しながら、夏茶、秋茶、雪茶で損失を”取り返そう”としています。

 

「春も早い時期のお茶は農薬を撒かないから、安心」という声も聞かれるのですが、催芽剤は植物に対するホルモンなので、この影響がどうなのか?はやや心配なところです。催芽剤のタイプとして葉面散布を行うものがあったりすると、経口摂取することにもなりますので。
なにより、催芽剤を使うと、脇芽などあらゆる芽が発芽してしまうので、記事文中にもあるように、味は薄く、その後の生長にも悪影響であることは間違いありません。
催芽剤は単欉に限らず、緑茶にも適用できるものです。特に早い売り出しを競うような産地の緑茶は少し懸念を持ってしまうところです。

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