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冰島、突然半額に。最大手経営者の思い

ここ数年、急激に脚光を浴びたプーアル茶の茶産地に冰島があります。
老班章と並び称され、一気に値段が上がったことで知られています。
が、その市況に大きな変化が現れてきており、それを主導したのはシェア70%を持つ最大手の茶葉会社の動きでした。

冰岛茶5年疯涨百倍 “垄断”茶商突然半价抛售

在普洱茶界,一直有“班章为王,冰岛为后”的说法。近年来,以“冰岛老寨”地名命名的冰岛茶价格超过班章茶,成为云南普洱茶中的极品。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2014/1027/article_175112.html

プーアル茶業界では、ずっと”班章が王様で、冰島が王妃”という言われ方をしてきました。ここ数年、”冰島老寨”という地名で命名された冰島茶の価格は班章のお茶の価格を超え、雲南プーアル茶の中の最高級品になりました。

しかし、ここ2日間、上海国際展覧センターで開催されている秋茶の展示会に取材に行ってみると、”冰島勐庫老寨古樹茶”の展示ブースでは、1枚200gの冰島茶の価格は2~3000元で、さらに”応相談”になっており、中には”1斤3800件”でまとめ売りをする茶商もいます。年初は1枚1万元以上もした冰島茶の価格は、今では価格は”真っ二つ”になっています。

<冰島茶は5年で100倍の暴騰>

2007年、プーアル茶は悪性の投機に遭い、かつては全面的に”価格の暴風”が吹き荒れ、全国の多くの都市のプーアル茶市場は、その年の3月前後が価格のピークで、みるみるうちに暴騰が暴落へと変わり、多くのプーアル茶は瞬く間に半値以下になってしまいました。

2007年前後の暴騰と暴落の後、プーアル茶市場はここ数年再び狂乱相場になっており、とりわけ冰島古樹茶を代表とするプーアル茶の高級消費市場では、価格がずっと上がり続けました。

2010年から、冰島古樹茶の価格の高さは黄金と比べられるほど高くなっており、ここ5年で、冰島古樹茶の毛茶の価格は100倍近く値上がりました。今年、春茶の価格が全般的に高くなるのにつれて、冰島の純粋な古樹茶は1枚1万元を突破しました(通常、1枚は357g)。今年開催された春茶のオークションでは、”2014年冰島春茶(問鼎冰島)”という名前の500gの古樹茶が6万元で落札されました。

しかし、最近開催された秋茶の展示会では、冰島茶の価格は突然”真っ二つ”になり、取引も低迷しています。”正宗冰島老寨古樹茶”の旗を揚げているいくつものブースを回ってみると、1枚200gの冰島茶の価格は多くは1800~2600元で、1枚357gの価格は4000元を超えることはありませんでした。さらに多くの茶商たちは価格表示を”応相談”としていました。

ある茶に詳しい友人の話によると、彼は2007年からプーアル茶に関心を持っており、特に冰島茶の価格の動向に注目していました。その年の冰島茶は1kg数十元を超えることはありませんでした。2006年のプーアル茶が狂乱相場になった時期でも、冰島茶は1斤150元を超えることはありませんでした。しかし、2009年から、冰島茶の価格は暴騰を始め、今年も例外では無く、500年以上の樹齢の古樹春茶の価格は昨年から”とんぼ返り”のように値上がりし、1枚は1万元に近づきました。多くのプーアル茶の熱狂的な”茶マニア”たちは冰島茶の価格はまだ値上がりすると予測していましたが、思いがけずに突然暴落しました。

 

<”独占”していた茶商は半値で投げ売り>

なぜ騰勢を誇っていた冰島古樹茶の価格は突然”腰折れ”したのでしょうか?業界関係者に聞いたところによると、今年4月、冰島老寨古樹茶を専門に取り扱う会社で、市場シェア70%以上を持っている”鈞翔号”が、1年前の冰島茶を1枚4000元あまりで外部に投げ売りしたため、1枚1万元の古樹茶の価格が腰折れしてしまい、この影響を受けて、その他の冰島茶の製造メーカーも次々と価格を低くせざるを得なくなりました。

鈞翔号”はこの行為について、秩序ある摘み取りを呼びかけ、理性的な消費に立ち戻り、ニセモノの製品を叩くためだ、と表明しています。”鈞翔号”は雲南省茶葉協会の副会長で、業界で”雲南大面積保護古茶樹の第一人者”とされる于翔氏が創業したものです。

2006年以来、高値の裏ではさまざまな狂乱がしばしば行われており、ある茶商などは他の地域から安いお茶を購入してきて、勐庫冰島老寨で初期加工を行い、冰島の純粋な毛茶として生まれ変わらせるというケースもありました。さらには、お金を渡して、冰島茶をオークション価格で有り得ない値段にまで吊り上げさせて、”神話”を創造し、消費者をたぶらかす者も出てきました。

このような乱れた現象がでてくるようになり、于翔氏は8年間にわたって蓄積してきた70万トンの冰島茶の一部を放出し、これによってかけ離れた価格への圧力をかけて、消費者が本当の冰島老寨茶を飲めるようにしたのです。

 

<毎年、古茶樹が消えていく>

古樹茶価格の値上がりに従い、茶商、茶農は利益のために過度な摘み取りを行い、冰島老寨古樹茶も”鶏を殺して卵を取る”的な略奪が起こり、古茶園の生態環境は大きく破壊され、多くの冰島老寨古茶樹が枯れ死んでしまいました。

于翔氏によると、茶農家は古樹茶をまさに”金のなる木”として見ていると言います。毎年摘み取りの季節になると、茶農家は木にある全ての葉を摘み取ってしまい、このような極めて不合理な摘み取りは、古樹茶にとっては疑う余地も無く大災害です。”現在、古茶樹の保護は悪いスパイラルに入っていて、高ければ高いほど多く摘み、多く摘めば摘むほど量が少なくなり、量が少なければ少なくなるほど高くなります。しかし古茶樹には休む期間が必要で、絶え間なく摘むことは大量の減産に繋がり、最終的な結果は茶葉の価格は高くなっても、古茶樹が消えて無くなってしまうのです。毎年、かなりの量の古茶樹が消失しており、古茶樹の最も集中する勐庫地区では、古樹茶の産量は毎年下降しています”

現在、冰島老寨の範囲内には茶農家が32軒あり、そのうちの23軒は于翔氏と契約していて、古茶樹の数量は8000本あまりあります。”冰島老寨の範囲内の1年間の茶の総生産量は8トン前後ですが、市場で販売されている冰島茶は既に数百トンを超えており、中には千トンに上るとも言われています。そして2006年から、私たちの会社が購入した冰島茶は1枚も売り出しておらず、今年4月になってようやく販売をしたのです。それなら、これまでの品物は一体どこから来たのでしょうか?”と于翔氏は言います。もしも、こうした業者が販売する偽物が横行するようであれば、雲南省の名品である古樹茶には一文の価値も無いでしょう。

 

経営が苦しいとか、販売不振だから投げ売りをして価格が暴落、なのかと思ったら、そこには冰島のお茶を専門に扱う業者の誠意があったようです。”鈞翔号”というブランド名は、覚えておいて損は無さそうです。

 

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