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黄茶の現代化への道

10月末に湖南省岳陽市で黄茶のイベントが開催され、黄茶の現代化について議論が行われたようです。
日本には、あまり情報の入ってこない黄茶の業界状況が記事になっています。

 

中国古代贡茶黄茶踏上现代化转型之路

在我国悠久的茶叶历史中,黄茶曾是仅次于绿茶出现的第二大茶类,唐代即为贡茶,历史悠久,文化底蕴深厚;然而现在,当谈起中国名茶时,黄茶却鲜有耳闻。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/1103/article_163276.html

我が国の長い茶の歴史において、黄茶は緑茶に続いて現れた2つめの茶類であるだけでなく、唐代には献上茶とされ、長い歴史があり、底流に流れる文化は深くて厚みがあります。しかし、現在は中国の名茶を語る際に、黄茶の名前を聞くことは少ないです。

29日から30日にかけて、第9回中国茶葉経済年会と第1回中国(岳陽)黄茶文化節が湖南省岳陽市で開催され、全国各地から茶商や科学研究機構の専門家、学者など1200人あまりが参加し、黄茶の産業を急速に、健全に発展させるための活動について、共同で討論しました。

中国茶葉流通協会の顧問であり、湖南省茶業協会の会長である曹文成氏は、現在、我が国には緑茶、青茶、紅茶、黒茶、白茶、黄茶などの六大分類の茶製品があります。しかし黄茶の生産規模と産量は他の茶類に比べて際立って小さく、大規模な開発がなされてこなかったように見えます。そのため、黄茶の生産と販売の規模には、まだまだ多くの伸びる余地が残されており、将来の発展に向けた見通しは大変開けています、と認識しています。

湖南農業大学教授の劉仲華氏によると、黄茶の品質は黄葉黄湯で、独特の燜(悶)黄という製法を採用しており、燜黄という製法を経ることによって茶に含まれる遊離アミノ酸と揮発物質が増加し、黄茶の味を甘く、香りを濃いものにします。さらに黄茶の性は温で中和であり、中国の中庸という知恵に偶然にも一致しています。

「岳陽市の黄茶の歴史は遙かに古く、”黄茶の冠”と言われる君山銀針、巴陵春などの多くの有名な茶葉ブランドがあり、全国の黄茶の生産、加工と貿易の規模は最大で集中した産業区になっています。現在、岳陽市では黄茶のトップ企業に大いに支援を行っており、将来、黄茶産業を岳陽市の有力で、特色ある、柱としての産業にしていきます」と湖南省岳陽市長の盛栄華氏は言います。

調べてみると、黄茶の主な産地である岳陽市は”中国黄茶の里”に認定されており、その黄茶の販売量と生産量は全国の65%以上を占めます。現在、”君山銀針”の岳陽市はこれを契機として、長江の中下流地域と洞庭湖の黄茶産業基地の建設に大いに力を入れています。
ここ数年来、岳陽市人民政府は黄茶産業の”51111”戦略計画を発表しています。これは5年以内に10億元を投じて、君山茶業を代表とする黄茶のトップ企業を多いに支援し、そして全市の茶園面積を100万畝にまで発展させ、黄茶の年間産量を10万トンとし、黄茶の総合的な年間金額で100億元を目指すというものです。

「君山銀針、蒙頂黄芽、霍山黄芽は中国の黄茶の種類の中で3大代表として知られていますが、その中でも君山銀針は中国十大名茶に選ばれています。黄茶は歴史的にはかつては献上茶であったとされ、名前は有名ですが、産量は少ないのです。以前にも多くの黄茶企業が伝統的な道筋に沿って、黄茶を高級茶、特供茶と位置づけていましたが、黄茶を知っている人は多くても、飲んだことのある人は少なかったのです」と湖南省君山銀針茶業有限公司の総経理、王准氏は言います。

王准氏によると、解放前に君山島の僧侶が植えたものを、中華人民共和国成立後、君山茶場が生産した茶葉を岳陽市茶葉公司と君山茶場の茶人が苦労して、育て上げたそうです。1956年、君山銀針は”ドイツ・ライプチヒ国際博覧会金奨”を受賞し、毛主席は生前にこのお茶を飲み、”踊るようなお茶”だと讃えたそうです。

「現在、我々黄茶企業はまさにモデルチェンジを行っており、黄茶を一般大衆が消費できるような特色のあるお茶にしようとしています」と王准氏は語ります。

黄茶の発展を求めて行く上で、ここ数年、岳陽市政府、湖南省君山銀針茶業有限公司は、中国黄茶産業連盟を結成し、全国各地の黄茶産地の政府と企業を動かし、黄茶に対しての関心と支持を集め、歴史ある名茶の種類としての黄茶を新たに復興させようとしています。1年に及ぶ活動により、中国黄茶産業連盟には既に湖南省、四川省、浙江省、安徽省などの多くの企業が参加しており、君山銀針、蒙頂黄芽、霍山黄芽などの歴史的名茶を網羅しました。

聞くところによると、中国黄茶産業連盟は全国で初めての、地域をまたいでの茶産業発展のための試みであり、中国黄茶産業連盟がまとまって出展し、まとまって宣伝を行うという方法をとることで、全国の消費者に君山銀針を中国の黄茶の代表とするイメージを発信しています。

曹文成氏などの専門家は、ここ数年、普洱茶と紅茶が相次いで流行したことは、黄茶にとって新たなお茶を飲む人たちを引き込むことに繋がるのではないかと認識しています。湖南省茶葉研究所所長の包小村氏は、君山銀針の品質の要求は高く、製造技術は複雑で産量が多くありません。しかし、地方の長所と、地方の特色を打ち出すことで、強い産業にできるかもしれない、と認識しています。

岳陽市茶葉学会の会長である郭正初氏は、岳陽黄茶の全国市場へのプロモーションに力を入れ、企業の販路開拓を支援していくこと。茶業界が一緒になって、自主経営の発展ができるように企業を指導していくと述べています。

専門家は、岳陽市の黄茶産業は科学的に秩序ある発展が必要で、岳陽の黄茶の発展のための布石をきちんと計画した上で、それに伴う発展のための施策を定め、岳陽の黄茶資源とブランドの整合性を取るよう推進するべきと認識しています。たとえば、岳陽黄茶の地方標準を制定し、区域の基準を決め、原産地保護や茶園の認証、製造技術、製品の標準などです。またトップ企業への指示と保護の度合いを強め、トップ企業への資源の整備やブランドの統合などの措置に力を入れる必要もあります。
 

一時期は黄茶は過去のお茶で、緑茶化が著しい、などと言われてきましたが、現地では黄茶を一般的に飲まれるようなブランドにしていきたいと考えているようです。
というのも、中国人の中にも、定番の鉄観音や龍井というお茶では、もう満足しなくなっていて、「何か目新しいお茶を飲んでみたい」というニーズがあるので、そこになんとか食い込んでいきたいと考えているようです。
黄茶は、その規模が小さいだけに、ここ数年でマーケティング上の変化が最も激しい茶類と言えるかもしれません。

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