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お茶と水の深い関係。今は20の名泉よりも・・・

お茶の淹れ方などの話で必ず話題に上るのは”水”です。
古くからの茶書でも”水”については、様々な考察がなされてきました。
水とお茶の関係を解説している、ちょっと長めの記事を紹介します。

 

历代茶人取水多讲究宜茶之水先得“远市井

国家高级评茶员、安徽农业大学茶学系毕业的张晓芳说,常常有朋友问:“同样的茶叶,在您这沏的茶很香,咋回去就变味了?”面对这样的疑问,张晓芳都要细细介绍一番:茶有灵性,泡茶要用心。沏出好茶,除了泡茶的技艺外,心情的好坏、环境的优劣、器皿的选择都会影响茶的品味。而在所有的外在因素中,影响茶口感最主要的原因,还是水的选择。

本篇文章来源于第一茶叶网 原文链接:http://news.t0001.com/2013/0517/article_156893.html

 

国家資格の高級評茶員で、安徽農業大学茶学系を卒業した張暁芳は、いつも友人たちにこのように聞かれます。
「同じ茶葉なのに、あなたが淹れたお茶は、とても香りがよいです。どうやって味を変えたのですか?」
このような質問を受けたとき、彼女はいつも事細かに一度に説明しなければなりません。
「お茶は賢いので、お茶を淹れるには意図が必要です。美味しいお茶を淹れるには、淹れる技術の他に、気持ちの善し悪し、環境の優劣、器の選択などが全てお茶の味に影響します。このような外的な要因の中で、茶の味に最も大きな影響を与えるのは、水の選択です。」
<古来より水は茶の母。よいお茶にはよい水を>
張暁芳の言い方と同じように、古くからの茶人たちも、茶を論じるときの水について、良いことを言っています。「水無くして、茶を論じることは出来ない」と。水と茶の関係は、持ちつ持たれつなのです。 茶にとっての水は、酒にとっての水と同じように重要で、良いお茶は、良い水が無ければ本当の味を得ることは出来ません。ゆえに、いにしえから著名な茶人たちは皆、水の品定めに精通していてます。なぜなら、水の善し悪しが茶の色や香り、味に与える影響がきわめて大きいからです。

明の時代の田芸衡は「煮茶小品」の中で、茶の品質の善し悪しについて、「もし水を得ず、さらに水をよく沸かすことが出来なければ、良いものでも悪いものになってしまう」と言っていました。
明の時代の許次紓は「茶疏」の中で、「良いお茶は香りを蓄えていて、水の力を借りてそれが現れる。水無くして茶を論じることは出来ない」とも言っています。
清の時代の張大復は、水の品質は茶の品質よりも大切であるとし、「茶の本質は水から出るので、八分(80点)のお茶でも、十分(100点)の水にあえば、茶もまた十分(100点)になる。八分の水に十分の茶を入れてみると、茶は八分にしかならない」と認識していました。
こうした経典の賓茶における水の言葉を、現代の評茶専門家の言葉に置き換えると、このようになります。
「優れた香りのお茶が生臭く、雑質が含まれた水で淹れられると、茶はその淡い優雅さと甘みを出すことが出来ず、水の青っぽさと渋みに覆い隠されてしまいます。このような組み合わせは喉の渇きを癒やすことぐらいにしか、役に立ちません。ただ、甘みのある良い水で優れた香りのあるお茶を入れると、その茶水の味はようやく最高峰に達します。」
言うまでも無く、今も昔も、茶聖や茶仙たちもみな「良いお茶には良い水が必要」と認識しており、この茶と水の関係を極限まで突き詰めた結論が「水は茶の母」という言葉なのです。

<良い水は良い水源から。歴史に残る20の名水>

良いお茶には良い水が必要と言うことが分かったら、それではどこから湧き出る水が”名水”なのでしょうか?茶に合う水の水源がどこにあるかは、古くは陸羽が著した「茶経」に記されており、これを詳細に論証を加えてみましょう。
彼は、「水は、山水を用いるのが上で、江水が中、井水は下。
山水も、石灰岩の池からゆっくりと流れ出ているのが良く、沸き立つように流れているものは飲んではいけない。これを飲み続けると首の病が出る。また山谷に分かれて流れる水が、溜まって漏れないときは、暑い時期から霜が降りる前までは、龍の毒を蓄えているかもしれない。このような水を飲む場合は、流れによって悪い部分を追い出し、新しいものがこんこんと湧き出してから汲むべきである。
江水の場合は、人里から離れた水を汲むのが良く、井水の場合は、汲む人が多い場所のものを汲むのが良い」
これをおおざっぱに翻訳すると、陸羽はここで水に対する要求をしています。まず、市井から離れた汚染の少ない水を選ぶこと。生き生きとした水を良いものとし、澱んだ水を悪いものとしています。このため、山中にある石灰岩土壌の泉や大きな河の清流を良いものとしています。峡谷の中には、水の流れが良くない場所もあり、それは厳しい夏の暑さの時期は、各種の寄生虫や細菌が繁殖しているので、当然飲んではいけません。

こうして突き詰めた結果、どこの水が良くて、どこの水が劣っているのか。歴史の言い伝えによると陸羽は天下の名水を味わい、20の名水を次のようにリストアップしています。
第一泉 江州廬山康王谷谷帘水
第二泉 常州無錫県恵山石泉
第三泉 蕲州蘭渓石下水
第四泉 硖州扇子硖蛤蟆口水
第五泉 蘇州虎丘寺石泉
第六泉 江州廬山招賢寺下石橋潭水
第七泉 揚州揚子江中冷水
第八泉 洪州西山瀑布水
第九泉 唐州桐柏県淮水源
第十泉 江州廬山頂龍池水
第十二泉 潤州丹陽県観音寺井水
第十三泉 漢江金州上流中冷水
第十四泉 帰州玉虚洞春溪水
第十五泉 商州武関西洛水
第十六泉 蘇州呉淞江水
第十七泉 如州天台西南峰瀑布水
第十八泉 郴州圓泉
第十九泉 厳州桐廬江厳陵灘水
第二十泉 雪水

<どこの水であっても、自然にあふれた場所の水が最良>

しかし、歴史と地質の変化や、化学環境による汚染が増加しているため、かつて良いとされた水でも、その水質はもはや変化しています。大都市の中心部にある泉は、多くは既にゆっくりと枯渇し、人々の生活用水を満たすことは到底出来なくなっており、水道水やパッケージに入った水(タンクによる水やボトルや袋に入った水を含む)がこれに代わっています。

今日、良い水の多くは植物に深く覆われた場所で、汚染の少ない岩山の奥深く、岩石の地層や植物などを通って染み出してきた所にあります。
都市の喧噪の中にいるお茶を愛する人が、良い水を得ようと思っても、交通輸送の不便であることや、保存が利かないなどの様々な原因で実行に移すのは難しいです。
お茶を嗜む人が、もしまだ昔の人たちのような天然の名水で一杯のお茶を淹れたいと思うのであれば、水源から汲んできたパッケージに入った水を使う以外ありません。
それでは、現在の水質と水の専門家たちが、これならば良いという水源はどこなのでしょうか?
北京の健康飲用水の専門家は、「水源地の水質が大切です。良い水であればあるほど、水の処理は簡単になり、消毒剤や他の物質などの使用量が少なくて済みます。そのため、自然保護区や人があまり入ってこないような地区、高海抜の地区の水を私たちはまず選びます。海抜が高く、人煙も少なく、工業地帯や農業地帯からも遠く離れた場所の水は、その原生の姿を良く保っており、清浄度も非常に高くなるでしょう」と言っています。
専門家によると、現在のこのような水は古代のように汲んできてお茶を淹れるというイメージではありませんが、非常に良い水源地の水で作られたパッケージ水なので、品質的にはお茶を淹れるのに非常に適した水であると言えるでしょう、と話しています。
 

現代の中国においては、大都市近くの天下の名泉よりも、環境の良い水源地のミネラルウォーターが良いですよ、という記事でした(苦笑)
それにしても20の名泉が列挙されていたのは珍しかったので、紹介してみました。
ちなみに第十一泉は、元記事に書かれていなかったので、そのまま転載しています。

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