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ビンテージ普洱茶の団体標準が公布される

普洱茶に関しては、工場出荷段階の品質や要件を規定する国家標準は既にありましたが、一定の年数を経た普洱茶に関する標準はありませんでした。
しかし、今年の6月30日に、雲南省茶葉流通協会が新しい団体標準を制定・公布したそうです。

 

普洱茶には”越陳越香(訳注:寝かせれば寝かせるほど香りが良くなる)”という特性があり、普洱茶は歳月が経つにつれて、その価値も倍増していきます。古樹茶、名山茶、陳年茶が人気になって、しばらく時間がたつと泥や砂が混じるかのように、”陳年普洱”と名付けられた老茶は玉石混淆になり、普洱茶産業の健全な生態系が汚染されてしまっています。喜ばしくめでたいことに、先日、雲南省茶葉流通協会が制定した『年份普洱茶品質保証トレーサビリティー技術規範』という鶴の一声によって、ビンテージ普洱茶にも標準があることになりました。

普洱茶 Puer tea

雲南特有の地理的表示製品で、普洱茶の産地環境条件に適合した雲南大葉種晒青茶を原料とし、特定の加工技術に従って生産されたもので、独特の品質特性を持つ茶葉。普洱茶は普洱茶(生茶)と普洱茶(熟茶)の2つのタイプに分けられる。

普洱茶は後発酵茶で、特定の環境条件の下で、微生物、酵素、湿熱、酸化などの総合的な作用を経て、その内含物質に一連の転化が発生して独特の品質特性を形成し、それは時間と保存環境の変数の総合的な成果です。この種の変化のことを巷では”越陳越香”と呼んでいます。

年份普洱茶 Years Puer tea

GB/T 22111『地理的表示製品 普洱茶』の要求に適合し、生産日時から一定の期間の貯蔵を経て、製品の品質に一定の転化があり、かつトレーサビリティーを有し、品質安全要求を満たすことのできる普洱茶。


取材によると、2019年、雲南普洱茶の産量は約15.5万トン、販売量は約10.55万トンで、訳5万トンの普洱茶が倉庫の中で貯蔵、陳化させられています。現在、市場ではビンテージ普洱茶の数量は非常に大きく、調査によると、東莞市だけの貯蔵量だけでも30万トンを越えており、全国には100万トン以上があると推計されています。しかし、製品標準と統一の呼称がなく、市場には陳化茶、中期茶、老茶、倉儲茶、号級茶、印級茶などの様々な呼び名があり、いわゆる”陳年茶”には流通の混乱、品質の不安全性、価格の吊り上げ、情報の不確かさなどがあり、普洱茶市場の流通に一定の影響を与えています。

このため、普洱茶の生産企業は明確な後発酵の生産方式(貯蔵)と検査基準を切に願っており、年份普洱茶の品質を確保し、製品の価値と転化の発現を高めたいと考えています。消費者にとっても、分かりやすい消費ができ、品質と価格が見合うことを望んでいます。監督管理を行う側からしても、より規範的な市場で、年份普洱茶の品質の安全が確保され、品質が基準に達し、消費者と生産者の権益が守られることを望んでいます。このような背景の下で、雲南省茶葉流通協会は”年份普洱茶”の概念を提出するとともに『年份普洱茶品質保証トレーサビリティー技術規範』の制定に着手しました。

年份普洱茶の標準は雲南省茶葉評価検測トレーサビリティーセンターが2020年5月に開始され、2021年1月に雲南省茶葉流通協会によって起案が承認され、1月20日に初めての年份普洱茶のテスト製品を発表し、7月30日に標準が正式に公布され、施行されました。初回の年份普洱茶品質保証トレーサビリティーは昆明から、臨滄、大理、普洱、版納まで雲南省の主要茶産地をカバーし、さらにサンプルを送る方法で東莞倉の検証も完了しました。標準で規定したトレーサビリティーの流れに則り、20件の年份普洱茶の年代、貯蔵、品質を確認し、さらに全国製品偽造防止トレーサビリティー認証公共プラットフォーム上にアップしました。

 

この標準の公布によって、年份普洱茶の定義が明確となり、年份普洱茶の標準の空白を埋めることができたことは、雲南茶産業の発展史の中でのマイルストーンになります。規範化した年份普洱茶の市場は、消費者の権益を保護し、共存共栄の普洱茶の健全な生態系を力を合わせて建設し、農村の振興戦略の助けとなり、雲南茶の持続可能な成長を実現することに役立つでしょう。

新たに公布された『年份普洱茶品質保証トレーサビリティ技術規範』について、雲南省茶葉流通協会の創設会長である陳儒氏は、この「規範」は年份普洱茶市場が直面する品質安全の難題、市場の混乱、製品流通情報の非対称などの問題を解決し、原料や製法をトレーサビリティーでき、産地を調べることができて、品質も保証され安心して消費できるという良好な市場秩序をもたらし、年份普洱茶の流通と消費を促進するでしょうと話します。さらに普洱茶の生産者と貯蔵者が茶製品の安全基準に従って生産加工に従事し、生産企業の管理と製品の品質安全レベルとブランドイメージを高めることになるでしょう。消費者の調査と権利の保護もできて、消費者の知る権利と選択権も満たされます。農業部門が問題のある茶葉を発見し、応急処理を行う能力も高まるでしょう。政府の管理部門が製品の品質安全の監督管理を行う効率も高まることでしょう。消費者の安全感も高まり、生産企業の誠実な意識と生産管理水準も高まり、我が国の農産品の国際協力も高まり、農産品の品質安全の責任追究ができるようになるでしょう、と話しています。

国際品質科学院の院士で、元国家質量監督検験検疫総局の総工程師で、中国防偽行業協会会長の劉卓慧院士は、北京において、この標準の制定と公布は3つの面で重要な作用をもたらすと述べています。

一つは団体標準が業界の発展の技術的な基礎をリードすると言うことです。2018年に中国の標準化法が改正されてから、重大な変化の一つは団体標準が増えたことです。国は業界の先進的なレベルの団体標準によって、業界の発展をリードしていくことを奨励しています。標準によって普洱茶の年代が確定することは、長年の間、年份普洱茶の判定に科学的根拠が欠けていたという空白を埋めてくれるものでもあります。

二つ目に、科学的な方法で製品のトレーサビリティーを実現するということです。年份普洱茶は簡単な年代の記載をすることではなく、品質の保全には約束された条件が必要で、標準の中にある関連する規定を満たした場合にのみ、年份普洱茶が確立されるのです。

三つ目は、第三者による評価と認証を通じて、消費者の年份普洱茶への信頼度が大いに増加することになり、さらにプーアル茶の市場流通に対して信頼のラベルが掛けられるということです。当然、第三者の評価の有効性もまた追跡可能とするべきです。普洱茶が時代の光を放つためには、宣伝だけに宿題があるのでは無く、品質と品質管理においても宿題があり、製品の品質保証と製品のトレーサビリティーは普洱茶のブランド価値を高める上での基礎条件になるのです。

私は、この団体標準の公布と施行が会議で述べられていた、”年份普洱、標準先行、品質トレーサビリティー、安心な消費”という趣旨が実現されることを信じています。彼女は「規範」が実行されることで、我が国の普洱茶業界の高度な成長と、古くからの普洱茶が持続的に時代の光を放つことを願っている、とのことです。

 

中国語名は”年份普洱茶”。英訳はYears Puer teaになっていますが、「ビンテージ普洱茶」という訳の方がぴったり来るかと思います。
この標準自体は、年代物普洱茶のトレーサビリティーを行う際に、どのような確認項目を行うか、といったことが記述されているだけであり、”何年もの以上を年代プーアルとするか?””どのような品質を良いものとするか?”などの判断基準は書かれていないようです。
そこまで決めると時間がかかりすぎるという判断で、とりあえず最低限の内容でも始めてみた、という標準のような気もします。
それでも、名称を統一したり、認証を受ける普洱茶というのが出てくるのは、市場の透明化には一定の効果はあるかもしれません。

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